カタクリの戦略


坂本直行画伯のカタクリのスケッチカタクリは昔、球根を搗き潰し、石臼で挽いてそれを水に溶かし、片栗粉を作る材料にされるほどたくさん咲いていました。しかし、現在の片栗粉と言えばジャガイモの澱粉で本物のカタクリが使われていることは、ほとんどありません。

左の画像は十勝に開拓の頃に住み、自然と共に暮らした坂本直行画伯のスケッチです。カタクリは画伯の絵のように妙に群生する理由をご存知でしょうか?また、カタクリの球根が驚くほど深く埋まっていることをご存知でしょうか?

早春に咲くカタクリ私は1990年頃に園芸店で球根を手に入れ、庭の片隅に植えて楽しんでいます。花がつき始めたのは1997年のこと・・・・それまではまだら模様の葉が一枚出るだけでした。カタクリは葉が二枚になるとようやく花をつけます。「何だか蝉みたいな花だな」と思ったものです。

カタクリはまだ霜の降りる頃、いち早く芽を出し、花をつけます。ご覧のように周りには芽を出している草もほとんどありません。落葉樹が葉を茂らせ、森の中に陽の光が入ってこなくなる頃には休眠に入ってしまう植物です。

カタクリの花が終わった頃に群生地で活躍するのが蟻です。カタクリの種子は別名「蟻の実」とも言われています。蟻が好んで巣に運ぶためその名がついているようです。しかし、別に甘い味があるわけではありません。カタクリの種子は蟻の幼虫とそっくりなにおいをしているので、蟻は自分の巣にせっせと運ぶのです。


カタクリの花その結果、カタクリは自分の発芽しやすい地中深くまで移動できます。カタクリが比較的狭い範囲に密生するのは、蟻の移動距離と分球に頼っているためです。

カタクリは森の木々が葉をつける前にカタクリの一年を終えてしまいます。早春の森で一瞬の輝きを放つ「春の妖精」の異名にふさわしい花です。山野でカタクリの花を見る時、ちょっとこんなことを思い出してみてください。

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