上野敏郎の
         上野敏郎の今週のコメント

第1390回普段着のとかちミーティング


開催日 令和3年10月27日(水)
【話 題】 子どもは遊びの大天才 [13]
− まりつき −


〜まりつき〜


正月遊びとして特に遊ばれていたまりつきですが、昔の子ども達は
学校終わりに女の子で講堂やお寺に集まり遊んだそうです。
毬つき歌に合わせ、ボールを弾ませて楽しみます。

明治時代中期頃からゴムが安価になり、よく弾むゴムまりがおもちゃとして
普及しました。それまでは、木綿を芯にした手まりが普及しており、
よく弾ませるにはよほどの力が必要になるため、幼い子はしゃがんだ高さで
ついていましたが、ゴム製になってからは立ったままでも楽につけるため、
楽しさも数倍になった。

この頃から戦後まで、まりつきは最も人気のある女の子の遊びでした。
多くの手まり歌が作られたのも、明治後期になります。


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〜遊び方〜

今のバレーボールのボールぐらいの大きさのゴムボールを使います。
 一人ずつ鞠(まり)を「鞠つき歌」にあわせて、鞠をつき、フレーズの最後(「さ」の音の時)
毎に足を鞠の上で回し、最後に股の間をくぐらせ、後ろ手でお尻のあたりで、
鞠つき歌が終わるのに会わせてキャッチして完了。
 誰かが途中で失敗すると交代します。ボールがたくさんあるときはみんなで
同時にできるあそびです。

<歌>
「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ、熊本どこさ、

せんばさ、 せんば山にはたぬきがおってさ、それを猟師が鉄砲で撃ってさ、

 煮てさ、焼いてさ、食ってさ、それを木の葉でちょいと隠せ」

この歌以外にも「いちじくにんじん」や「一ばんはじめは」、「やまでらのおしょうさん」
など色々な毬つき歌があります。

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 〜豆知識〜

〜子ども達の遊ぶ場所〜
昔は、板間やコンクリート等の固くて平たい所はめったになく、板間といえば学校の
講堂か廊下またはお寺の縁側くらいだったそうです。コンクリートとかタタキなども珍しく、
舗装してある所は、全くありませんでした。講堂にも勝手に入ることはできず、廊下は
晴天の日には使得ない為、雨天でも狭くて思うように遊ぶことができません。

 なので、学校が退けると晴天にはもちろん雨の日にも皆んながお寺に寄り集まり、
大きい子も小さい子も一緒になって遊んだそうです。外へ出られない時には、
家の庭やカドでまりつきをします。

 庭とは、家の表口へぬける通しの土間のことで、カドというのは、家の軒先の
広い場所を指します。昔の農家では、籾や豆などを天日で乾かすために、
こうした広く平たい空間があけてあったため、子ども達は自分の遊び場所を
見つけて昔遊びを楽しみました。


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〜まりつき〜





(画:鎌田博文氏)



(画:菅野孝雄氏)

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