2004年2月10日 北海道はこの時期最も寒くなり、屋外は雪と氷だらけです。足元に注意を払い気を付けて歩かないと、直ぐにすべって怪我をしてしまいます。北海道の冬に外で遊ぶのは子供達だけ。子供達でさえ、最近では家でテレビゲーム三昧でしょう。
兎に角、北海道の冬は、あまり娯楽が無いわけです。
仕事があるなら、面倒でも暇はつぶせます。しかし、定年の歳をずっと昔に迎えた老人達は、仕事さえありません。趣味人はある程度何とかなるでしょう。しかし、冬ですからね。パークゴルフや釣りが趣味な人は、やはりそれも無理です。
で、そう言った人達が集まった『老人会』にトキワが呼ばれたわけです。私の祖父が所属している老人会です。
一部の人にはご存知の通り、常葉は『マジック(手品)』が得意で、腕もそこそこな方です。祖父が家へと遊びにくれば、ちょっとしたネタを見てもらったりしていました。
どうやらその事を、『老人会』で話したらしいですね。
呼ばれちゃいました。(^^;
仕事が忙しかったので、練習はほぼ一夜漬け。大きなネタは、前回東京に行った時に全て落としてしまったので、身近にあるものを使用したハンドリング(手先の技術)でまかなわなければいけません。
大変でしたー。
まあ、何だかんだ言って、マジックは成功しました。(本当か?)
老人達にすれば、トキワはまだまだ若造。孫の歳です。失敗しても、大目に見てくれます。感謝感謝。
場所は『老人会館』でした。そこに居るのは、勿論お年寄りばかり。
そこでトキワが見たものは・・・正に、長い年月を経て精錬された、老人達の知恵でした。
会館の壁には、色々な張り紙がありました。会館の清掃当番表・役員名簿・施設一覧表・歌の歌詞が書かれた紙など。
その中で【占い師 常葉】が、『これは敵わん!』と思った張り紙が三つあったのです。
今回はそれを紹介。
一 高いつもりで低いのが教養
二 低いつもりで高いのが気位
三 深いつもりで浅いのが知識
四 浅いつもりで深いのが欲望
五 厚いつもりで薄いのが人情
六 薄いつもりで厚いのが面皮
七 強いつもりで弱いのが根性
八 弱いつもりで強いのが自我
九 多いつもりで少ないのが分別
十 少ないつもりで多いのが無駄
言い得て妙なり!by トキワ
これは正に、私の事であり、皆さんの事ではないでしょうか?
これ程的確に、人間の事を語った言葉を、トキワは他に知りません。
全てに置いて否定できない。そう思いました。まさに感服。
一 仲間がいて、気持ちが若い人
二 人の世話をよくし、感謝の出来る人
三 ものをよく読み、よく書く人
四 よく笑い、感動を忘れない人
五 趣味の楽しみを持ち、旅の好きな人
老いも若きも、かくあるべし! by トキワ
これは老人にのみ言える事ではありません。トキワ思うに、最近の人々は色々と忘れていることが多いのではないでしょうか。ある意味『ボケ』『アルツハイマー』です。狂牛病なんぞで騒いでいる場合じゃ御座いません。
【一 仲間がいて、気持ちが若い人】 仲間という言葉に拒否反応を示す【天邪鬼】な人物も居ます。トキワ思うに、これらの人は【仲間】を勘違いしているのではないでしょうか? それは【時の共有者】であり、【旅の道連れ】です。【友情】やら【信頼】は良き副産物に他なりません。
【時の共有】とは何か? 【旅】とは何か? これは各自でお考え下さい。老年になる頃には分かるかもしれません。人生たかだか80年。【時の年齢】や【旅の道筋】に比べれば、まだまだ若造。
【二 人の世話をよくし、感謝の出来る人】 『余計なお世話』と言う人も居ますが、『余計なお世話』をされるような『不甲斐ないあんた』が悪いんだよ。感謝しましょう。
人の世話をする。【時の共有者】を持てば、これは自然なこと。それを忘れれば、ボケもします。今の時代【感謝】が出来ない人は多いですね。『有難う』という言葉が【感謝】では無い、と言うことに気が付く人も少ないです。
【有難う】 この言葉の意味を、しっかり考えましょう。
【三 ものを読み、よく書く人】 もう一つ【ものをよく聞き、よく話す人】
情報のインプットだけでは、記憶媒体は役立ちません。勿論アウトプットだけでもダメです。そんな事してれば、当然ボケます。
新たなる情報(未知の世界観)を獲得し、それを表現する。それは【生きる事】です。世の中に興味を持たずして何が楽しいでしょう。世の中に自分が存在する事を表現せずして、何処に居ることが出来ましょう。
若かろうが、歳を取っていようが、世に興味を持たず、存在しようとしない時、人はボケます。【死】ではありません。ボケるんです。
【四 よく笑い、感動を忘れない人】 人生の醍醐味。生きているからこその特権。味わわずして、何の得がありましょうか。
【五 趣味の楽しみを持ち、旅の好きな人】 これは【人生の楽しみを知り、生きる事の好きな人】
こう言う人は、人生を楽しく生きます。こう言う人は【お得】です。こう言う人が、長い生きするんです。こう言う人が人生を知るんです。こう言う人が【賢者】になるのです。
皆さん? 今、自分はボケてはいませんか?
七十才にてお迎えある時は、今留守と言え。
八十才にてお迎えある時は、まだまだ早いと言え
九十才にてお迎えある時は、そう急がずともよいと言え
百才にてお迎えある時は、時機を見て、こちらからボツボツ行くと言え
死に最も強いのは、老人である。間違い無い! by トキワ
【死】と【生】に対して、何と寛容な事でしょう。正に【13番 死神】もタジタジです。
この文章は、決して【死】を忌んではいません。同様に【生】を忌んでもいません。
【死】は必ず来るのです。急ごうが、急ぐまいが必ず。必ず【来る】なら急ぐ必要は無いのです。
【やり残したことの無い人生】と言うのは、厳密に言えばありません。やること何て幾らでもあるんです。ただ取り敢えず、自分がやらなければいけない事、やっておきたい事が済んだ時に、そう言うことを言う時があるだけです。
人間の興味は尽きません。興味が収まった時、体が疲れて一先ず休みたくなった時に、【ボツボツ】行けば良いのです。
正に【亀の甲より、歳の功】 トキワ アキラは【老賢者達の教訓】に完敗しました。むしろ、乾杯!
私がマジックを見せに【老人会館】へ出向いた時、そこにはただ、何処にでも居るような老人達が、私の到着を待って、雑談に花を咲かせているだけでした。トキワにはそう見えました。
いやはや・・・・【賢者】とは見えぬ物、気が付かぬ物。
帰る頃には、後光が差しているように見えましたよ。(^^;
よい経験でした。