トランプの神秘

 トランプとタロットの間には深い歴史的な繋がりがある。現代最新のタロット研究において、タロットはプレイングカードから発展したらしいことが分かってきた。
 私達日本人がトランプと読んでいるそのカードは、海外では『トランプ』とは呼ばれていない。元々トランプとは『切り札』を意味し、ジョーカーのことを指しているのだ。海外では大体、プレイングカードと呼ばれる。

 さて、ここではやはり日本で馴染みの深い『トランプ』と言う呼び名で扱おう。
 このトランプ、タロットカードより昔から占いに用いられてきた。タロットが占いの道具として見出されたのが18世紀後半。それ以前のカード占いと言えば、トランプを用いるものだったのである。

 トランプと占いが、どのように繋がるのだろうか?
 その秘密を、ここでこっそりとお教えしよう。

 まず、トランプを開いて見よう。四つのマークが目に入ると思う。スペード・ハート・ダイア・クラブの4スートだ。
これらは、中世ヨーロッパの四階級に対応している。
スペードは貴族、ハートは僧侶、ダイアは商人、クラブは農民である。
スペードは貴族の帯びる剣を意味し、ハートは僧侶の教える魂、聖杯を意味し、ダイアは商人の扱う貨幣を意味し、クラブは農民の持つこん棒、その先に飾ったクローバーの葉を意味している。
これらは、占われる対象者達である。まずトランプは、占われる本人達の立場を示唆しているのだ。
さて更に、4スートは一年の季節も示唆している。スペードは春を、ハートは秋を、ダイアは冬を、クラブは夏を意味している。(異論有り)
その4スートが合わさることで、トランプカード全体は、太陽の周期、一年を表現している。
占われる対象者と、その対象者達が生きる時間。その組み合わさりが、占いとしての効力を発揮するのである。

 その不可思議な占いとしての効力を実感してもらうために、ちょっとした計算をしていただきたい。
 トランプには一つのスートに13枚の札がある。Aから10までの数札と、ジャック・クイーン・キングの合計13枚である。ここでは、ジャックは11、クイーンは12、キングは13と数えよう。では1から13までの数字を全て足して頂きたい。
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13=91
トランプには、四つのスートがあるので、合計の数を更に4倍してみよう。
91×4=364
この数字、何処かで見たことはなかろうか? そう実は、太陽の周期、一年間の日数なのである。トランプは正に、一年と言う時間を支配しているのだ。
え? 一日足りない? ふーむ・・・では、良くトランプのデッキを確認して見よう。何やら他とは違った、奇妙なカードは無いだろうか? そう、ジョーカーである。ジョーカーを入れると丁度一年間、365日になるのだ。
え? ジョーカーが2枚入っているって? ふむ。お忘れだろうか? 一年が366日になる年があることを。そう、四年に一度の閏年である。それでジョーカーは、基本的に2枚入っているのである。

 トランプとはこのような構成故に、占われる人物の太陽時間における未来を見とおすことが出来るのである。

トランプで、運命の一日を導き出す方法

 先ずは、ジョーカーを目の前に置いておこう。それは占われる人物を象徴する。
 ジョーカーを抜いたトランプ52枚を良くシャッフルする。
そして、カードの中から13枚を抜き出し、テーブルの上に置く。この13枚とは、先ほど説明したように、一年の一季節の日数91日である。
その13枚の中から更に3枚を抜き出し、表にして並べる。残った十枚を揃え、その上に、ジョーカーを重ねよう。
さて、枚数の多い方のカードを手に取り、その中からジョーカーの代わりとなるカード選ぶ。表を見ないまま直感で1枚選び、先程までジョーカーが置いてあったところに裏向きのまま置いておこう。このカードこそ運命の一日を示唆するカードなのである。
では、手に残ったカードを、11枚のカードの上に重ねる。
テーブルの上には、3枚の表になったカードと、1枚の裏のカード。そしてカードの山があるはずである。
先程カードから13枚抜き出すことで一季節を通過したが、一年はあと三季節も残っている。よって13をあと三つ作らなければならないのだ。
まず表向きのカード1枚目の数を見る。13からその数を引こう。例えばカードがクラブの2なら、13−2=11である。スペードの9ならば、13−9=4である。その割り出された数字分、その表のカードの上に、山からカードを裏向きのまま配ろう。2のカードなら11枚。9なら4枚。キングが出た場合は、13−13=0なので配る必要はない。
同じことを、残り2枚の表向きカードでも行う。
さて、これで四つの季節を通過することが出来た。いよいよ運命の日を導き出すことが出来る。
表になっている3枚のカードの数字を合計する。
例えばAと3とジャックなら、1+3+11=15である。
山からその合計数分のカードを裏のままテーブルに置いていく。そして、その枚数目。つまり合計が15なら15枚目のカードを表にして見よう。
もしそのカードが『ジョーカー』ならば・・・あなたが直感で導き出した1枚のカードは正に運命の日を指し示すカードである。
裏向きのカードを表にして見よう。
スペードなら春、ハートなら秋、ダイアなら冬、クラブなら夏である。クラブの3なら、夏の季節、3の付く日付に運命的な出来事が起ころうとする。ハートのQなら、秋の季節、1と2の付く日に何かが起こるだろう。
もし、そのカードがジョーカーで無いのであれば、今年は運命的な出来事は起こらない。平安な一年である。
これは、トランプ占いの中でもかなり信憑性の高い方法である。是非とも試していただきたい。

 さて、実際にトランプを手に取り、上の占いを実践された方にのみ、この占いの神秘の開示を行いたい。
 実践されないで覗くと、その神秘性は失われ、落胆することになるかもしれない。くれぐれも急ぐことのないように。

神秘の開示