「芸能人は歯がいのち」とコマーシャルでよく言われていましたが、最近、歯周病が全身にもたらす影響が注目され、まさに「歯はいのち」であると言えるようになってきました。つまり歯周病が心臓疾患・呼吸器疾患・低体重児出産などに関係していることが研究により明らかになってきたのです。(図1)では、歯周病がどのように全身疾患に関与しているのでしょうか? その前に、『歯周病』と言う言葉はすでに知っていると思いますが、病気としての本当の怖さや生活習慣病であるがゆえに治療の難しさ、さらには予防が大切であることをほんとうに理解している方は少ないと思います。お口の中には、何百種類の驚くほどの細菌が存在します。その細菌全てがむし歯や歯周病を引き起こしているわけではありません。ある特定の細菌が悪さを引き起こしているのです。そもそも、細菌が悪さを引き起こすきっかけは、プラークコントロール(歯磨き)が不十分であることです。不十分であると、歯と歯ぐきの間に、歯周ポケットという細菌の巣ができます。その中は、細菌で満たされ炎症が起こっており、内面は潰瘍になっています。そして細菌の毒素により歯周病を悪化させています。悪化すれば潰瘍がひどくなり血管に入り込む細菌の数も細菌の毒素も増えていきます。それによりいろいろな病気を引き起こすことは想像できると思います。 妊娠中の女性の場合は、細菌が血管壁に炎症をもたらすことで胎盤が収縮し、低体重児を出産する危険性が7.5倍も高いという報告があります。さらに驚くことに歯周病は3倍も心臓病になりやすいという結果も出てきました。また、口腔清掃をすると寝たきりの高齢者の誤飲性肺炎の発病を低下させることも明らかになっています。 なんだか恐ろしいですよね。歯周病を放置することは、歯だけの問題にとどまらず、寿命を縮めることになるかもしれないのです。まさに「歯はいのち」ですね。口のためだけでなく全身の健康維持のためにもプラークコントロールをしっかりして、定期的に歯医者さんでお口のクリーニングをしてもらってはいかがですか?
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