10月終わりから11月始めは夜間の外気温が10度を越えなくなり、燻製を作るのに向いています。私はこの時期、知り合いからいただいた旬の鮭を燻製にして楽しみます。素人のことゆえ、妙な物が出来上がってしまうこともありますが、食卓に自分の作った燻製が乗るのは楽しみでもあります。
![]() 日本酒以外を鍋に入れて、沸騰するまで煮ます。沸騰してから約10分したら火を止め、熱いうちにコーヒーフィルターやキッチンペーパーで濾します。日本酒は濾してから入れます。 |
|
小魚を漬け込む時は良いのですが、鮭のように大きく、ヒレが残っている魚を漬ける時は、冷凍用のビニール袋はお薦め出来ません。ヒレで穴があいてパニックになります。(経験者は語る)そこで、大き目のタッパを使って冷蔵庫で7時間漬け込みました。
その後、流水で6時間ほど塩抜きをします。一部を切り取り、試しに焼いて食べてみて、ちょっと味がうすいかな?と思う程度がちょうどいい塩加減です。
うちには猫がいるので風呂場で戸を閉めて塩抜きをします。
次に乾燥ですが、外気温が10度程度の時なら外でもOKですが、鳥や猫に狙われる心配があるので、私は写真のピチットシートという優れものを使います。これは魚の中にある余計な水分のみを取り除いてくれるシートで、これに包んで冷蔵庫で乾燥させます。
前回、ちょっと乾燥不足を感じていたので、今回は18時間の乾燥をしました。指で触って表面がべとべとしなくなったらOKです。
右の写真のようにしっかりと凧糸で縛って、燻煙をかけている途中で落ちたりしないようにします。
燻製には冷燻、温燻、熱燻の3つがあり、煙をかける温度が違います。今回のスモークサーモンは冷燻で、じっくりと低温(15度〜25度)で数日間、煙をかけなければなりません。私の10月、11月の年中行事のようになっているのは夜間の外気温がちょうど冷燻に向いているからです。
右の写真は私の使っているスモーカーで、27X27X73cmのサイズがありますが、鮭をスモークするにはちょっと短いので、なるべく小さめの鮭を選びます。本当はドラムカンほどのスモーカーがあれば良いのですが、そうもいきません。
私はスモークウッドという線香の親玉みたいな物を使ってスモークします。
初日、温度は18度を越えないように、下も上も全開の状態で煙を素通りさせ、5時間りんごの煙をかけました。温度計は上と下の二ヶ所に置いてなるべくまめに見るようにします。
2日目はヒッコリーの煙を10時間、20度でかけました。温度は上の換気穴を開閉することによって管理しますが、小さいスモーカーの場合、ちょっと油断すると温度が上がってしまい、蒸し焼きになってしまうことがあります。
3日目はサクラとヒッコリーのブレンド煙を同じく10時間、20度でかけました。
4日目は仕上げにヒッコリーのスモークウッドの上にセージやローリエ等の香草を置き、最後の煙を5時間、25度でかけました。
さて、出来上がりです。煙りかけを終わってすぐでは、煙のエグミがあり、イマイチなので、最低でも1日は冷蔵庫で寝かせてから食べます。とろけるような舌触りと煙の造ってくれた微妙な風味は一度食べると病み付きになります。
下ごしらえから1週間、手間をかけて時間をかけて出来たスモークサーモンを、早く食べたいのをグッとこらえて2週間程置いてみましょう。意外な風味が追加されて、さらに美味しくなります。
いろんな本を読んで、最初はそのとおり作り、ソミュール液やかける煙の種類、時間、温度を色々と変えていくと、びっくりするほど美味しい燻製が出来る時があります。まれに出来る「自分流」の美味しさを追求する作業も楽しいものです。本当に趣味の世界ですが、達成感を楽しむのも悪くはありません。
鮭いぶす 煙消え入る
空の藍 乱知恵
![]() |
![]() |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
花鳥魚月 |
![]() flyman●octv.ne.jp 巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「●」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「●」を「@」に打ち直して送信して下さい。 |