十勝川の四季-秋編- 一住人の目で

信じられない数の鮭が帰ってくる秋。千代田堰堤での鮭の捕獲

四年前に放流された鮭達が重なるようにして母なる十勝川に溯ってきます。

彼等は千代田堰堤という巨大な魚止めで捕獲されます。ここで鮭は単なるモノとして扱われており、観光の見世物のひとつになっています。(注)

やがて彼等は、サケマス孵化場へと運ばれます。来年放流する稚魚を得るための採卵が待っています。


密漁者横行する密漁。この時期、千代田堰堤より下流の十勝川は完全な無法地帯となります。使用はもちろん、販売、所持すら禁じられているはずのヒッカケバリが公然と使われています。彼等に罪を犯しているという罪悪感は全くありません。

警察、漁協は見回りをしていますが、圧倒的に多い密漁者を取締まることは不可能です。

密漁者の目的はほとんど雌の腹に入っている卵です。その場で腹を裂き、卵を取り、死体は捨て去ります。あちこちに腹を裂かれた鮭の死骸が散乱しています。


産卵準備中のペア鮭達は千代田堰堤から上流には登れません。仕方なく堰堤より下流で自然産卵をする鮭もいます。浅瀬で卵を産んでも、水位の下がる冬期には間違いなく干上がり、彼等の子孫が再び海に下る可能性は0%でしょう。天寿を全うした鮭

しかし、産卵を終え自然死を迎えることが出来た彼等は、幸せだったに違いありません。たとえ本意の場所ではなかったとはいえ、遺伝子の命じるままに生き、その一生を全う出来たのですから・・・。

十勝の短い秋は足早に駆け抜け、やがて彼等の骸の上にも真っ白な雪が、等しく優しく包むように降り積もります。

(注)このページをUPしたのは’98年11月1日でした。現在、千代田堰堤での人の手による写真のような捕獲作業は廃止されました。写真の後ろに見えるクレーンと網による捕獲のみ行われています。

’99年9月7日 記

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