『W』

名称  『THE EMPEROR』 『皇帝』

主キーワード 父・王・支配者・征服者・強いリーダー・組織力
         実行力・決断力・指導力野望・理想・事業
         分析力・計画力・責任・ワンマン・王者の孤独
我は偉大なるが故に支配し、強大なるが故に征服する。我が業の成す所は皆整然となり、故に富み、栄えよう。我は、国民のあらゆる敵を打ち滅ぼし、国を覆すものを罰する。我が前に膝を折るものは栄えよう。我が前に剣を抜くものは滅びよう。我が全ての国民の父であるが故に、我が国は栄えよう。

 ナンバーWを配当されるこのカードは、強大な力を持つ支配者、国を栄えさせる王者、家を守り、生活を支える父、そして侵略と征服を行い、広大な領地を治める皇帝である。
 彼は、理想高く、野望に溢れ、活力に満ちている。自分の成したい事業(夢)のビジョンが確りしており、達成の為に惜しみなくエネルギーを傾ける。
 彼の視線は、はるか未来の大きな結果に向かっている。目先の利益に惑わされることは無く、最終的に最大の成果をもたらす事業を頭に描いている。そして、頭で描いたビジョンは緻密な計画となり、実行され、そして必ず成就するだろう。
 彼は、大きな利益のためには、痛みを伴うことを恐れない。大きな組織のリーダー(皇帝・国王・大統領・首相)は常にそうである。将来、国が繁栄する為には、一時的にも国民は痛みを受けることになる。それに対し国民は不満を持ち、リーダーを恨むだろう。しかし、組織のリーダーたるものは、全ての国民からの憎まれ役をかってでる位の勇気が必要なのである。

示唆 強大な力・支配力・大黒柱としての父・高い理想・野望・活力・エネルギー・将来のビジョン・
示唆 事業・組織・リーダー・大きな成果のための痛み・国民の痛み・憎まれる勇気

 彼は自分の成すべき職務を怠らず、責任を全うすることの大切さを知っている。組織において、自分のポジションを把握し、その上で成すべきことと、更に、自分の成したいことを両立して行う。彼は、計画性と分析力に富み、自分の志したものへ向かう確固たる自信を持っている。マネージメント能力とマーケティング能力は、彼の才能の一部である。
 また彼は、いざ物事に踏切る時の大胆さを備えている。その決断力は、彼の所属している組織全体を動かす。

示唆 責任感が強い・組織性・両立・把握能力・計画性・分析力・実行力・自信・マネージメント能力・マーケティング能力・大胆な行動・決断力

 彼は強いリーダーシップを持っており、部下や後輩達に的確な指示を与えることが出来る。しかし彼はワンマンでもある。人の忠告を聞かず、自分の意思にそぐわないものは容赦なく切り捨てる。性質が悪く出ると、身勝手で仲間を失い、孤立し、全てを崩壊させてしまう可能性もある。それらは全て、自分が招いた結果である。

示唆 リーダーシップ・良き上司・良き先輩・ワンマン・身勝手・孤立・全ての結果は自分が招いたもの

 彼は、甲冑の上に赤い衣を羽織り、石の玉座に座っている。甲冑を着ているところから、彼が戦争に際しては、前線で戦う行動派であることが分かる。現在は、確固とした安定を意味する石の玉座に座り、自分が携わっている事業に注意深く目を配っている。何時、何が起こっても迅速に指示を与えられるようにである。彼は常に準備万端である。
 彼の右手には、権威と支配力を象徴する王錫が握られている。彼の左手には地球を意味する球体が握られている。彼は持ち物によって、支配する領域と、支配する正当性を主張している。
 彼の座っている玉座には、羊の頭が飾られている。丁度『皇帝』のカードには、占星術の12宮の内、白羊宮が配当されており、彼が白羊宮の性質を強く持っていることを示唆している。また彼が、リーダーとして良き羊飼いであることも意味する。
 彼が座を構えているのは、険しい岩山が見える荒野である。周囲には、皇帝に仕える従者達も見えない。彼は高みに居て、あまりにも強い力を持つが故に孤高であり、彼の環境は常に険しいものであることを示唆している。力ある王者は常に孤独なのである。

 示唆 前線・行動派・観察力・把握力・準備万端・権威主義・支配欲・自己主張
    指導者・孤高・険しい環境・王者の孤独

 数字の4は物質界を表す典型的な象徴である。皇帝は物質界の支配者であり、且つ創造者としても作用している。
また彼は男性原理でもある。今まで『愚者』は幼子としての性質を持ち、男性とも女性とも言えなかった。『魔術師』は青年(思春期)の男性原理としての性質を持っていた。(同時に自在者として無性別の性質も持っている)『女教皇』は処女(思春期)の女性原理。『女帝』は母の(成熟した)女性原理である。『皇帝』は父(成熟した大人)としての男性原理であると言えよう。

示唆 物質界(メンタルに対比される現実界)・男性原理・父性原理・成熟

 彼はどんな人だろう? 先ず年上の男性(男性の保護者や上司のシンボルカードでもある)・厳格・気難しい・権威的・プライドが高く支配的・有能な仕事人・面倒見が良く指導力がある
 もし彼の性質が悪く現れるのなら、頑固・ワンマン・自分勝手・独裁主義・傲慢。逆に転じると、無責任・無計画・指導力の欠如・実行力無し・未熟となる。

 人間関係を組むと非常に頼りになる人物である。しかし友人にしては、若干自己主張が激しく、頑固で、高慢なところが目に付く。自分の意見に会わない人物を排除しようとするタイプなので、考え方が合わない場合は上手く行かないことが多い。組織性や権威性を好むので、グループ意識が強く、常にその中心に居ることを好む。
 もし女性が恋人にする相手とするなら、とても理想的な男性となる。『皇帝』のカードは人物のシンボルカードとして、理想的な彼氏を現すことが多い。関係をリードしてくれて、デートや恋人同士の記念日などを素敵に演出してくれる。しかし若干古いタイプ、硬派なので、女性の自由を抑制しようとする傾向にある。男性が恋人にする相手とするなら、男女のバランスが若干取り難いかもしれない。しかし、相手の自立性を認め、男女という観念に囚われなければ、良いパートナーとなるだろう。
 仕事関係。実に頼りになり、指導力・決断力に恵まれた上司、先輩となる。若干ワンマンな所も目に付くが、彼の決断は最終的には良い方向へ向かっていくので、多少不満でもついていった方が良い。部下である場合は多少扱い辛いところもあるだろうが、やはり有能なスタッフである。彼の思う通りに動かし、時に意見を聞いても良いだろう。
『皇帝』のカードは社会的な地位を約束するカードと言えるが、無謀なまでの動的エネルギーを備えているので、働きすぎ(ワーカホリック)・過労の危険もある。
 実力はかなり高く、出世頭と言える。
 金銭。労働を生活の主体に置くので、収入は安定しており、且つ高給取りであることが多い。また事業家的性質を持っているので、始め収入が少なくても、後半多くなっていくだろう。金銭に関わらず計画的な投資をするので無駄使いは無い。しかし、金銭の流れの大切さを知っているので、常に投資することを心掛けている。なので投資に失敗すると破産を招く危険もある。
 健康。精神的には堅強と言えるが、常に精神が張り詰めているので、精神疲労に陥り易い。肉体的にも過労の心配がある。
 病気が起こる可能性がある部位としては心臓。これは後天的な病気であり、心筋梗塞などの心配がある。酒・タバコ・食生活の乱れ・睡眠不足から来る生活習慣病にも注意

 精神性や将来への希望を論点に置くのであれば、とても力強く、発展的な良いカードと解釈できる。しかし、このカードは常に苦難を孕み、忍耐力を要求する。社会性や人間関係など実質的な問題に論点を置くなら、社会的地位の確立を示唆する好意的なカードとなる。
 正位置の解釈は、このカードの美徳の面が中心に現れるが、必ずそれに伴い自分の疲労と他者の妬みも付き纏う。逆位置の場合は悪徳が現れる。