Wet Fly Tying

ピーターロスの理想形ピーターロスとギニアフライを例にして、ウェットフライを巻く時のちょっとした注意点などを紹介します。ピーターロスはティンセルボディとファーボディの両方を使い、フェザーウィングの代表です。また、ギニアフライはフロスボディにクイルウィングなので、この二つでウェットの基本が説明出来ると思います。
その前にまず、ウェットのおおよそのフォルムを頭に入れておきましょう。個人差があると思いますが、私は大体、左の絵のように巻くようにしています。これはウェットがもっともそれらしく見える比率になっていると思われますので、参考にして下さい。
ウィングはフックよりちょっと長め、ハックルはフックのポイントに触れる程度、テールとシャンクは1:1くらいの比率が普通です。もちろん自分のスタイルを持つことはいいのですが、基本をしっかりつかんでからにしましょう。この絵ではリブは5回転になっていますが、私は4回転から4回転半を基本にしています。


Peter Ross を巻く

ピーターロス完成

Hook
写真はJ1A

Thread
ブラック

Tail
ゴールデンフェザントのティペット

Body
後半シルバーティンセル、前半レッドシールズファー

Rib
シルバーオーバルティンセル

Throat
ブラックコックハックル

Wing
ティール

Head
クリア

ティンセル二種類の下処理テールをつけるこの画像はパトリッジJ1Aの#6を使っています。
まず、ティンセルをフックに取り付ける時のコツです。というよりこれは常識になってますね。フラットティンセルの場合は画像のように
斜めに切り込みを入れておくと、巻き始めから数回転が重ならず、きれいに巻けます。先を小さな三角形にしておくとすっぽ抜けることもありません。
それから、
オーバルティンセルも先をほぐしておいて取り付けるようにしましょう。段差が出来るのを防げます。

テールを画像のように一方のサイドから切り取り、これを二つ折りにして取り付けます。

ティンセルをつけるボディを作る画像のように二種類のティンセルをフックの下部に取り付け、段差がなくなるようにスレッドでファウンデーションをします。オーバルティンセルの不要部をカットする時も、斜めにハサミを入れて、極端な段差を作らないようにします。この後シャンク全体にスレッドでファウンデーションをして、きれいで平らなシャンクにしておきます。フラットティンセルを巻く時はファウンデーションがしっかりしていれば隙間は開きません。

レッドシールズファーをダビングする時はスレッドにワックスをしっかりきかせましょう。一度にたくさんダビングするのではなく、必要量を少しずつ撚り付けます。ダイドシールズファーなど染められたマテリアルをダビングした後は、ウェットティッシュで指を拭いてから他のマテリアルを扱います。白っぽいウィングなどの場合、色がつくことがあります。オーバルティンセルをカットする時は、やはり先をほぐしてヘッドが大きくならないように気をつけましょう。

スレッドの撚りを取るスロートをつけるハックルはここではダブりングしてありますが、片側をむしる方法もあります。どちらにせよ、ハックルはストークの細いものを使い不必要にヘッドが大きくなってしまうのを避けます。

ウィング取り付け位置にファウンデーションをする際、ちょっと頭に入れておくといいのが、矢印の部分です。 反時計回りにボビンを回して、スレッドの撚りを取ってあります。指でしごくとスレッドが明らかに滑らかになっているのが解ります。この状態でファウンデーションをすると平らな取り付け位置が出来ます。ヘッドの取り付け位置がデコボコになっているとウィングがうまく乗らないだけでなく、妙な角度になってしまうことがありますから、ここは細心の注意を払いましょう。また、シールズファーなど段差の出来やすいボディ材を使う時、ヘッド近くの部分はしっかり爪で押さえて段差が出来ないようにしておかないと、ウィングが飛び上がってしまいます。

出来上がりフェザーウィングは左右のフェザーから、同じ幅の物を切り取って背中合わせにしてウィングを作る方法と、一方のサイドからウィングの3倍の幅を切り取って三つ折にする方法があります。このページでは三つ折の方を使ってみましたが、マテリアルの都合などでどちらでもOKでしょう。

ウィングを取り付ける時は、必要以上に親指と人差し指で強くはさまないようにしましょう。ウィングの上部がスレッドで切れてしまうことがあります。コツとしては、二本の指でシャンクに押さえつけるようにして、スレッドの手助けをする感じがぴったりです。どうしてもスレッドで締める、という感じが抜けないうちはうまくいきませんが、指で下に軽く圧縮するのと一緒にスレッドを引く感じをつかむと、きれいにシャンクの上に乗っかるようになります。

ウィングのカットですが、必ずアイの角度にあわせて斜めにハサミを入れて、ヘッドが必要以上に大きくなってしまわないように気をつけましょう。この後、スレッドにワックスをかけて、撚りを取ります。その状態でヘッドを巻くと、小さくて形の良いヘッドになります。さらに親指の爪でウィングの切れ端の部分をしっかり押さえてさらに圧縮して、ヘッドを小さくまとめます。私はヘッドセメントに薄め液を入れて、普通より薄めの物を使っています。それを乾けば塗る、乾けば塗るを数回繰り返して、光沢のあるヘッドを作ります。


Guinea Fly を巻く

ギニアフライ

Hook
写真はJ1A

Thread
ブラック

Tail
コックフェザントテール

Body
グリーンフロス

Rib
ゴールドフラットティンセル

Throat
レッドハックル

Wing
ギニアフォールのクイル

Head
クリア

フロス巻き始め次にギニアフライでフロスボディ&クイルウィングについて説明します。
左の画像は一本のフロスを二本に分け、さらに左側の物は指で何度かしごいて撚りをとってあります。
フロスは一度にたくさん巻こうと思わず、少しずつデコボコが出来ないように巻くようにしましょう。もともと撚っていないフロスはケバが出るので私は撚りのあるフロスを少量ずつ巻くようにしています。長いフロスは後半になると、ケバが出ますし光沢を失うので、なるべく短い状態で使うようにしています。

右の画像はフロスの取り付け位置です。ヘッド近くに取り付けて、テールに巻き進みまた戻ります。これを2回繰り返し、平らなボディを作ります。もう少しボリュームが欲しい時は、3回繰り返す時もあります。

ボディ出来上がりウィングのペアゴールドティンセルですが、私は細めのリブが好きなので、サイズに対して、ちょっと細めを選ぶようにしています。何となくシャープな感じが出ます。ここではミディアムを巻いていますが、もちろん普通にラージを巻く時もあります。
ハックルを巻いたらウィングの取り付けです。模様のあるクイルは左の画像のように、左右からなるべく似た模様の物を選び、カットします。ギニアフォールのウィングはファイバーがくっつきやすいのでバラバラになりにくく、初心者にも巻きやすいマテリアルだと思います。

ウィング取り付け上から見るとウィングを取り付ける時、ウィングの下部をちょっとハの字に開いてヘッドに乗せるようにすると左右均等に乗せることが出来ます。大きく開くとボディ全体を包むようなウィングにもなります。ここでは標準的なウィングにしました。

最後に上から見た時、シャンクの真上にウィングが乗っていることを確認します。ずれている時はウィングの不要部分をカットする前に直します。最初はどうしても左側に傾きがちになりますが、慣れてくるとスレッドで締める時に調整出来るようになります。


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