厳冬期の十勝川。よく晴れた早朝、放射冷却現象でマイナス20度を下回ると、川は一面蓮の葉状の氷に覆われます。
よく聞いていると、シャラシャラと氷の音が聞こえます。気温が水温よりはるかに低いので、川面からは水蒸気が立ち昇ります。
朝、川を見てこういう状態の日は、昼を過ぎても氷の筏が流れ続け、一日待っていても、釣りは出来ません。
こんな日は河原や森の中で、雪の上に残った動物達の足跡でも観察して楽しむのが賢明でしょう。
冬の装備。これだけあれば釣りでも、動物の足跡観察でもOKです。バッグには釣り道具、野鳥観察用の双眼鏡、カメラ、救急セット、食料等が詰め込まれています。カメラの電池は低温ですぐ駄目になるので、予備をポケットに入れて体温で暖めておきます。
ブーツにつけたスノーシューは冬の遊びの必需品です。
スノーシューなしで深みにはまると、右足を抜こうとすると左足がめり込み、左足を抜こうとすると
右足が・・・体重は前に移動しても足がついてこなくて、顔面から雪につんのめる・・・と脱出するまで酸欠地獄でハイな気分になれます。
日によっては温度の上がる昼から、釣りが出来ることもあります。と言っても気温はもちろん氷点下。冬の装備に身を固め、氷の流れが収まった時に川に入り、鼻水を凍らせながら、黙々とロッドを振り続けます。
フライを水中からピックアップすると瞬間冷凍され、バリバリになります。もちろんガイドも凍り付き、数投ごとに氷を取り除かなければなりません。
一休みで川から上がると、濡れたウェーダーが見る間に凍っていきます。「フライフィッシングは修行だな」と思う時です。
水温は2度〜4度程度なので、魚の活性も低く、かなり辛い釣りになります。それでも、一匹こんなのが釣れると、今まで出ていた溜息のかわりに鼻歌が出ます。
身を切るように感じられた強烈な北西季節風もなんのその、元気いっぱいで再び川の中に入ります。
不思議なことに、こんな厳しい条件の中で釣りをしていても、風邪をひきません。楽しいことをやっているせいでしょうか?それとも「〇〇は風邪をひかない」を証明しているのでしょうか・・・。
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花鳥魚月 |
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