非日常を楽しむ

キャンプ場最近はアウトドアブームでキャンプが大流行です。北海道はあちこちにキャンプ場があり、ガイドブックを見ると見事に整備されており、中には洗い場、トイレ、燃料までが完備されいるキャンプ場もあります。 家族と一緒に楽しむのにはぴったりの環境でしょうね。最近は量販店やスポーツ用品店で便利なキャンプ用品が安く売られていますから、ますます快適なキャンプが楽しめるようになってきました。車で乗り付けて、整地の必要もなくいきなりテントを張れるし、何と言っても危険がありません。難を言えば、ワルノリした連中が夜中まで騒ぐことくらいでしょうか?
と言っても私は一度もキャンプ場を利用したことがなく、見たり聞いたりしてこう書いているだけです。

車の中私のキャンプははっきり言ってキャンプと言える代物ではありません。あれは野宿と言った方がぴったりでしょう。翌日の釣りを考えて釣り場の至近距離まで行くため、羆の可能性があリます。だからテントを張って眠るなど、恐ろしくて出来ません。そこで、車をシェルター代わりに眠ることになります。
釣りの時間が惜しいので、食事もエサに近いものになります。夜など周りが真っ暗なので、強い明かりを点けようものなら、クワガタが額に刺さったり、蛾の集中攻撃を受けます。その中で料理を敢行しようものなら、蛾という未知の調味料を味わえるでしょう。したがって、最低限の明かりの中、インスタント食品をかき込み、車の中でシュラフにくるまり眠ります。


今までに体験したそれら野宿の中で、印象に残っているものをいくつか挙げてみましょうか。
● ゴールデンウィーク、山のダム湖に釣りに行った時のことです。焼肉を予定していましたが、雪に見舞われ、タープを持っていないので、橋の下でお湯を沸かしてカップ麺を食べました。寒くてとても肉を焼いている状態ではありませんでした。深々と降る雪を見ながら、カップ麺をすすったのは情けなかったです。釣果ですか?・・・笑うしかなかったです。
● いつもやっつけの準備しかやらないので、割り箸を忘れました。その辺の木の枝を折って皮をむき、それを箸にして食べました。何の木だったのか、ものすごく苦く、口がおかしくなりました。
● トイレはもちろんないので、その辺に穴を掘って用を足します。お尻をアブに刺されました。
● 夕食後、インスタントコーヒーをすすっていると、そばの森の中で重量感のある足音が、枯れ枝をバキバキ踏み折りながら進んでいきました。必死でクラクションを鳴らしてお引取り願いました。

野宿の楽しみ、焚き火…後始末は鬼の様に厳重に。どれをとってもなかなか笑えるものですが、キャンプ場ではまず経験できることではないでしょうね。今だからアハハですが、その時はかなり焦っていました。しかし、私がこれらの経験を真っ先に挙げるのは、どれも素晴らしい印象として残っているからです。「あの時は本当にエライ目に遭ったワイ・・
」これが私の非日常の楽しみです。

月のない夜、星が如何に明るいかをご存知でしょうか? トラツグミが夜、悲しげに鳴くのを聞かれたことがあるでしょうか? 瀬音に混じって、川の中で石が転がる音も、何故か夜は良く聞えます。木々の間を渡る風の声も、夜には違う表情をもっています。焚き火の爆ぜる音を聞きながら、闇の中の動物の気配を追うのも楽しいものです。

テレビにビデオ、挙句の果てにはカラオケと、家庭の居間を外に移し、キャンプの雰囲気を楽しむことも良いでしょうが、それはインドアをアウトドアに持って来ただけではないでしょうか? 小さい子供が一緒なら仕方ありませんが、なるべくなら非日常を経験するのも楽しいと思います。私が好んで不便を楽しんでいる向きもありますが、日常で体験できない面白いことが起こるのでは・・・野宿の日にはこれだけでわくわくします。

人工的なモノをすべて排除して野宿することは不可能ですが、私はなるべくよけいなモノは使わないようにしています。せっかく自然の中にいるのですから、その時にだけ楽しめるものがあるはずです。野宿は日常を離れるチャンスです。後々、思いっきり自慢できる非日常を楽しみたいものです。

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