休みの日、私はあまり計画を立てないようにしています。前日に絶対にこれをやろうとか、あそこに行こう等ということもあまり考えません。何時に起きるかもほとんど考えません。ただ、釣りに行くか・・・それならこの方向の川のどれかにするかな、といった程度です。ここで何時までやってからあそこに移動するか、等も全然考えません。「ま、行ってみて、それから決めよう」と本当にいい加減です。車に乗って運転を始めて、やっぱりあっちの川にするか、といきなり方向転換することもしょっちゅうです。目的の川で先行者の足跡を見て帰ってしまうこともあれば、ひとつの川で一日釣りつづけることもあります。
私のフライフィッシングの相棒は、そんな私の気まぐれをよく知っているので、文句を言いながらも「またか」ですみます。昼過ぎ出発の釣行予定を、明け方に電話でたたき起こしてもOK、一日釣る予定を30分で切り上げてもOKな仲、というのはそうあるものではないでしょう。しかし、そんな無茶苦茶なことは普通の人には失礼で通用しません。だから私はあまり人と約束をしないようにしています。
人と約束をすれば、それを守らなければなりません。それが負担になってしまい、結局遊びが義務になってしまうこともあります。遊びは何も考えずに、ひたすら遊ぶのが本当の遊びだと思っているので、その時の気の向くまま、好きなことをするのが私にとって一番です。時計も持たず川をふらつき、釣れたら喜び、釣れなかったらその辺の森でも見て遊べばいい・・・これが私の休日の過ごし方です。
普段、分刻みで時間を守って仕事をしていると、時計の文字盤を見るのが嫌になってきます。あと何分でこれをやって、それから何時までにあれ、さらに・・・・・「俺ゃ、お前の奴隷かい?」と時計にブーたれても仕方がありませが、守らなければならない時間を守るのが社会生活をする時、つまり仕事の時の常識です。私にとって遊びの常識とはその憎き時間を無視することに他なりません。
また釣りを人との競争に変えてしまうことも、それは遊びでなくなり、ストレスの元だと思っています。もっと大きい魚をもっと数多く、と願うのは釣り人の常です。何とかして仕留めてやろうと、あれやこれやと色んな事を試してみます。これは技術の向上にもつながるので、必要な要素であることは間違いありません。しかし「人より大きく多く」というその競争心のみが暴走を始めるとフライフィッシングが遊びではなくなってしまいます。
しかし、相棒に先にいいのを釣られると焦ります。また、奴より大きい魚を、と考えてしまいます。しかしここでひとつ深呼吸をして「所詮、遊び・・・・たまにはいいじゃないか」と思い直して、自分のペースを取り戻す余裕を持って釣りをしたいものです。
時間を気にせず、競争心も持たず、ひたすらフライにアタリが出るのを待つ・・・・まだそういう理想に達するには、少々距離がありそうですが、少なくとも今の私の釣りはそれに近づきつつあると思います。遊びを遊ぶ、簡単なようでけっこう難しいものです。
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花鳥魚月 |
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