北海道の地名

礼作別川に架かる橋の看板カンガルーを初めて見たヨーロッパ人はオーストラリア先住民のアボリジニに「あれは何という動物だ?」と尋ねました。アボリジニは「解らない」といいましたが、その言葉が「カンガルー」でした。今では別説もありますが、有名な話です。

十勝にも似たような話があります。十勝川下流域に礼作別川(れいさくべつがわ)という小さな支流があります。アイヌ語で re「名」-サクsak「〜を欠く」-ペッpet「川」は「名前のない川」と言う意味です。カンガルーにしても礼作別にしても、本来の意味からするとトンでもない名前が付いたものです。

浦幌町万年北海道には一体どう読むのか想像もつかない地名がたくさんあります。私は十勝に移り住んですぐの頃、しょっちゅう変な読み方をしてはまわりの爆笑を誘い、大恥をかきました。そのほとんどがアイヌ語を元にしていることに気づいた私はアイヌ語関係の書物を買い漁り、地名について調べてみた事があります。その結果アイヌ語だけでなく、地名の由来は大きく分けて三つの種類に分けられるように思いました。

ひとつは移住した人達が希望を込め、全く新しく付けた地名です。私のハンドルではありませんが、永遠に続くようにとの願いを込め「万年」と名づけられた所が十勝管内に二ヶ所もあります。

愛国から幸福への切符(広尾線廃止の日付)ふたつめに出身地名を付けた地名があります。札幌の広島や釧路の鳥取など、県名を付けた地名や新十津川町のように地域名を付けたものもあります。故郷に対する移住者の想いが偲ばれます。

全国的に有名な「愛国から幸福へ」の愛国は、20世紀始めの頃、この地区にあった青年会の名前からつけられました。幸福は、幸震(さちない、現在の札内)と呼ばれていましたが、この「幸」と福井県出身の人達が多かったので、その「福」を合わせてつけられました。愛国から幸福への切符を持っていてもこれを知っている人は少ないでしょう。

途別川の看板みっつめがアイヌ語の音を漢字やカタカナに当てたものです。今の日本では昔からのその土地の意味を表わす大字(おおあざ)や小字(こあざ)が消えつつあります。字にはその土地の特徴が込められており、先人達の警告なども含まれている場合があります。

アイヌ語の音を漢字に当てた北海道の地名には、確かに読みにくく無理のあるものが多いのですが、字が残っています。名前が土地の説明をしてくれる北海道の地名は、アイヌの人達が残してくれた素晴らしい贈り物と言えるでしょう。

北海道の地名で意味を知りたいものがあれば、掲示板でお尋ねください。

礼作別川のアイヌ語解説はきょうみさんに教えていただきました。



百名山と獺祭

写真と随筆メニュー

遊びを遊ぶ

十勝の自然とフライフィッシング Menu

TOP

十勝の魚

My Fly Box

ウェットフライ入門

釣行記

写真と随筆

自然の中で

自然の音声

十勝歳時記

十勝川の四季

リンク
掲示板
おまけ
花鳥魚月

ご意見、ご感想は

flyman●octv.ne.jp

巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「」を「@」に打ち直して送信して下さい。