植物の仕組み その1 気孔と根




ヒマワリの気孔気孔というものをご存知でしょうか? 植物にある二酸化炭素、酸素、水蒸気の出入り口です。左の画像は顕微鏡を使ってデジカメでコリメート撮影したものです。対物レンズが×40、接眼レンズが×20、800倍にしてあります。中央の唇みたいなものの間が気孔です。この隙間から気体が出入りします。

普通は絶対に見ることが出来ませんが、今ではデジカメと顕微鏡を使って、ああでもないこうでもないと、いろいろ試して撮ることが出来るようになりました。銀塩では試しに撮ったものを現像して焼き付けてみないと解らなかったのですが、デジカメはその場で露出の調整などが出来、いろいろな画像を撮るのに使えます。


ヒマワリの葉右の画像はヒマワリの葉です。私の手と比べておおよその大きさが、お解りになるでしょう。さて、ここでクイズです。このヒマワリの葉1枚の表面に、上の気孔が何個あるでしょうか? 数百? 数千?数万でしょうか?

気孔はヒマワリの場合、葉の表に1平方mm(1mm×1mm)あたり約100個、葉の裏には約200個もあります。この葉は200mm×200mm程度の大きさはありますから、約40000平方mmの面積があるでしょう。ということは表に400万個、裏に800万個・・・・何と合計1200万個もあります。計算間違いかと思うほどの数がありますね。

たった一枚の葉にこれだけの気孔があるのなら、植物全体ではいったいいくつの気孔があるのやら・・・気の遠くなるような数があります。ここから水が水蒸気となって空気中に出て行くことを蒸散(じょうさん)と言います。植物は無数と言えるほどの気孔から、どんどん水を放出している訳です。大切な水を、どうしてどんどん放出してしまうのでしょうか?

植物は生きていくために光合成をします。光合成に関しては別のページで詳しく説明しましょう。葉は光合成に必要な光を浴びると、自動的に太陽の熱も受けてしまいます。葉温が上がれば、酵素が働きにくくなり光合成の効率も落ちてしまいます。私たち動物が汗をかくように、植物は蒸散による気化熱で温度調節しているのです。しかし、蒸散の効果は温度調節だけではありません。


屋上の給水タンクご覧の画像はビルの屋上にある給水タンクです。背の高い建物は一度ポンプで屋上のタンクに水をくみ上げ、そこから各階に給水しています。

しかし植物には、この建物よりずっと背の高いものがいくらでもあります。ある杉の仲間など100mを超える高さがあります。そのてっぺんまで水や養分運ばないと植物は枯れてしまいます。ポンプを持たない植物はどうやってそんなに高い所まで水を運び上げているのでしょう?


草の根ストローを使ったことがない人はいないでしょう。上から吸えば下から上がってきます。植物の蒸散はストローの「吸う」という行動と同じなのです。

左の画像は庭から抜いてきた草です。根の大きさはご覧の通りですが、このうちの一本の根を顕微鏡で見たのが下の画像です。さらにそこから細かい毛のような根が生えているのが見えます。


根毛これは根毛と言い、この根毛によって根の表面積が広くなっています。土との接触面積を増やし、より多くの水を吸い上げられるようになっています。ここから水を「吸い上げる」原動力は葉の気孔からの蒸散です。根から葉へは道管という細い管でつながっており、ストローになっています。植物は蒸散によってより多くの水と水に溶けている無機養分を吸い上げているのです。

アリストテレスは「植物は逆立ちした動物である」と表現しました。下に口が、上に排出口が・・・なるほど納得できます。


小さなパラボラ 福寿草 自然の中でメニュー 水辺の鳥たち





十勝の自然とフライフィッシング Menu

TOP

十勝の魚

My Fly Box

ウェットフライ入門

釣行記

写真と随筆

自然の中で

自然の音声

十勝歳時記

十勝川の四季

リンク
掲示板
おまけ
花鳥魚月

ご意見、ご感想は

flyman●octv.ne.jp

巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「」を「@」に打ち直して送信して下さい。