DigiBorg(デジボーグ)第一歩


もっとでっかく撮りたい・・・鳥を撮影されたことがある人なら、きっとこう思われたことがあるでしょう。最初は私も銀塩一眼レフで暗い300mmに2Xのテレコンをつけて無理やり撮っていました。しかし、これは重い、暗い、解像度悪いの三重苦・・・・へレンケラーじゃないんだぞ〜と叫びたくなります。明るい望遠レンズなど、下手をしたら車が買えるほどの天文学的数字が値札についています。所詮、貧乏人の手にできる代物ではないし、適当な所で我慢我慢。

アカゲラ、足を踏み出している。デジカメに転向してからも、光学3倍ズームが限界・・・しかし、オリンパスからE-100RSという素晴らしいカメラが発売されました。これは光学10倍ズームにデジタル2.7倍!!なんと銀塩カメラに換算すると1000mm強の焦点距離を持っています。しかも手ブレ防止機能つき、さらに秒15枚と言う驚異的な速写能力。動物や鳥を撮る時はこの速写が役に立つこと間違いなし。予約して発売日に即購入。しばらくはこのカメラでいろんなものを撮って楽しんでいました。秒15枚の速写は、思わぬ動きを切り取れて、非常に満足のいくものでした。左のアカゲラの画像は秒15枚でアカゲラが枝を歩いているのを撮ったものです。ピョンピョンとはねているのかと思ったら、何とテクテク歩いていました。しかし、やはりこれでも鳥を大きく撮るのに力不足は否めません。

正しい天体望遠鏡の使い方そのうちネットサーフィンをしていて、トンでもなくきれいな鳥のアップ画像に出会い、これは一体・・・・?となりました。いろんなサイトを巡ってその方法がようやく解りました。昔から、月や惑星を大写しするコリメート法でした。天体望遠鏡の接眼レンズにカメラを押し当てて、パチリとする簡単な方法です。鳥観察用のフィールドスコープにデジカメをつけて撮るセットがデジスコという名で紹介されていました。私は小さい頃から天文に興味があり、コリメートは知っていましたが、それを地上用のスコープに応用し、さらにデジカメをセットすると言う方法に、はたと膝を打ちました。


間違った天体望遠鏡の使い方これならいけるかもしれない・・・早速、いろんなページを探して自分に合った機材を探しました。そんな時、「近勝之のフィールドノート」(今は Birding and DigiBORG)というページに出会いました。近さんは天体望遠鏡であるBORGを使って素晴らしい鳥の画像を撮っています。私は天体望遠鏡を使ったことがあり、何とかなるだろうと思いました。近くに先達がおらず、解らないことだらけで、ちょっと不安もありましたが、思い切ってBORG76EDの鳥見セットを購入することにしました。これにはデジカメのアダプター、地上プリズム、アイピースがついており、とりあえずスタートセットとしては大丈夫だろうと思いました。

ケラレの例しかし、ここでまた問題が発生・・・。私のもっているデジカメはリコーDC4、オリンパスC920ZOOM、オリンパスE-100RSの三台。リコーDC4は解像度の問題で今はほとんど使っていません。オリンパスC920ZOOMはレンズ前にフィルター取り付け用のねじがなく、これではBORGに取り付けることは出来ません。E-100RSはねじがありますが、49mmの口径があります。口径が大きいと接眼レンズに密着させても、ケラレと言って左の画像のように四隅に暗い部分が出来てしまいます。(E100RSを見事にBORGとマッチさせて撮っている人もいますが、かなり高度な工作が必要です。)テレ側で撮影すればある程度ケラレを解消できますが、なるべく小さい口径が望ましいわけです。・・・・仕方ない・・・・デジスコ用のデジカメとして評判のいいニコンクールピクス995を買い足すことにしました。

さらに、さらに、今度はシャッターの問題です。これくらいの超望遠になるとわずかなブレが致命傷になります。そこで、リモコンを考えましたが、ニコンの純正リモコンは反応がめちゃくちゃ遅く、さらにリモコンの接点がいかれやすい欠点があります。とても使える代物ではないとの情報をサイトで知りました。そこでデジカメ用のレリーズを取り付けられるパーツを自作しました。三脚はもともと銀塩用にしっかりしたものを持っていたので、それを使い、ようやくデジスコならぬデジボーグが出来上がりました。(シャッターのレリーズステーの作成は別ページにて。)

遠くに白い点が左の画像は春の畑のタンチョウです。畑の向こうに何か白い点が見える・・・これがオリンパスC920ZOOM光学三倍ズーム16.2mmの限界です。手前の白い部分はBORGのフードです。

16.2mmというと超広角レンズでは、と思われるかもしれませんが、銀塩カメラの35mmに対して、CCDチップは約1/5.5です。したがって16.2 X 5.5=89.1mm。約90mmの焦点距離があるカメラと考えることが出来ます。

しかし、これでは何が何やら・・・です。


何かいるぞ・・・これはE100RSのめいっぱいズームで70mmです。これでも銀塩換算で385mmです。何だか鳥らしいものが見えますが、これでも話になりません。

デジタルズームを加えて1000mm強にしたら、確かに大きくはなりますが、その部分の画素数は変わらないので、ザラツキ感が出てきてしまい、結局同じことです。


はっきりタンチョウと解るさて、これが上の二枚と全く同じ所をBORG+E995で撮ったものです。この画像はリサイズで小さくさしてあるので解りませんが、原画ではタンチョウの表情まではっきり写っています。

天体望遠鏡の倍率は、対物レンズの焦点距離をアイピース(接眼レンズ)の焦点距離で割って計算します。BORGの対物レンズは500mmの焦点距離があり、この時アイピースは25mmのものを使っていました。500÷25=20・・・・E995の焦点距離が30mmほどだったので、30mm×20=600mm・・・・CCDチップの1/5.5銀塩比の逆数をかけて600×5.5=3300mm。銀塩カメラに換算すると3300mmの超望遠になります。F値が暗くなるのではないか、と思われるでしょうが、意外に明るく、朝夕の条件が悪い時でもない限り、F値は4前後、シャッタースピードも条件が悪くない限り1/100を下回ることもありません。

BORGはもちろん眼視用のフィールドスコープとしても素晴らしい性能を見せてくれます。私はタンチョウをこれまでも何度も見てきていますが、BORGで観察して、胸の筋肉、足の筋肉が思っていたよりしっかり盛り上がっているのを見て、びっくりしました。

ピンぼけオオワシこのようにして、デジボーグでの鳥撮影が始まりました。しかし、この組み合わせ、ピントが難しいなどと言うものではありません。デジカメの小さい液晶でピントを取るのはなかなか難しく「コツみたいなものが必要なんだろうか?」とか「熟練するしかないのかな〜」と考えつつ、いろいろとやってみました。最初のうちは(今もそうかな〜?)こんなピンぼけが128Mのメモリーに満タン状態が続きました。

ケアシノスリホバリング後ピンからジワリジワリとピントを前に持ってきて、合ったと思った所で撮る・・・・さらにちょっとピントを前に持ってきて調子を見てみる・・・・このパターンをつかんでから、ようやくピントが合うようになってきました。銀塩で露出を振ると言う撮影法がありますが、私の場合ピントを振る訳です。次に目標としていたトビモノに挑戦。普通に飛んでいる鳥はデジボーグで捕らえることは不可能です。そこでケアシノスリが獲物を狙ってホバリングしている所を狙ってみました。失敗もありましたが、数枚完全にピントが来ている画像を得ることが出来、ようやく自信がつきました。

液晶ビューアーしかし、天気のよい日は小さな液晶は反射で見づらく、「もう、こうなりゃカンだ」とヤケクソ状態で撮る日もありました。これをある程度解消してくれたのが、画像の液晶ビューアーです。拡大レンズが付いており、ファインダーを覗く感覚で見ることが出来ます。しかし、結局小さい液晶を拡大しているだけなので、これも完全とはいえません。ケーブルを使ってモニターに接続し、それをビューアーをして使うのがベストでしょう。しかし、欲を言えばきりがありません。今のところこれで頑張っています。

と言うのが2002年のことです。2003年はさらに進化したデジボーグを使って、この頃から比べるといい画像を撮れるようになってきました。次のページではデジボーグの進化の様子を紹介しましょう。



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