’00年8月12.13日 知床釣行


羅臼峠の様子11日夕方、帯広を出発。強風と雨の中、一路知床を目指す。知床半島の羅臼峠で車中泊。明け方強風で車が揺れるので、目が覚めた。この時点で12日のカラフトマス釣りは放棄して、オショロコマ一本に絞ることにした。頭の中にあの川、この川といろいろな川が候補に浮かんでくるが、何もあせる必要がないので、ゆっくり朝ご飯を作って、霧雨の残る中、潮風を吸いながらのんびり食べる。

左の画像はちょっと天気が良くなった頃のもので、明け方は雨もひどくて屋根を打つ雨音がうるさいほどだった。車の正面には今日の目的地の知床半島が見える。もし天気が良ければ、右の水平線上に国後島も見えるはずである。


プロフェッサーとギニアフライペンチでフックのバーブを折るのんびり釣行の開始・・・一人なので、気が向いた川にふらっと入る。
まず、簡単にリリース出来るように使うフライのバーブ(カエシ)をペンチで折っておく。

ロッドは2番の7フィート半、6フィートほどのショートリーダーにドロッパーは#10のプロフェッサー、リードは#12のギニアフライを結んで様子をみてみることにした。第1投・・着水した瞬間、ドロッパーに魚が出た。今年の第一号はちょっと小さ目の黒っぽいオショロコマだった。



赤いオショロコマ面白い模様のオショロコマその後、次々と出るオショロコマの引きを楽しみながら、釣りあがって行く。予定の場所まで約1kmほどであるが、いっこうにピッチが上がらない。

どんなに小さな場所でも出るので、それをひとつひとつ拾っていくと、ものすごく時間がかかる。大場所だけをやっていけばいいのだか、貧乏人根性が染み付いており、無視できない・・・フライを流していないポイントに足を踏み込めないのである。

白いオショロコマ釣れる魚の色はさまざまである。真っ赤なお腹とヒレの魚もいれば白っぽい魚もいる。ご覧のようにまるでヤマメかと思うような魚もいた。この魚はパーマークの形が変わっており、背中まで妙な形のパーマークが広がっていた。背中の画像を撮ろうとしたらピョンと跳ねて流れに帰っていってしまった。釣った魚をよく観察していると個体差が激しく、本当に同じ種類の魚か?と思うほど違っている。

そのうちドロッパーとリードに同時にヒットすることがあったので、ドロッパーをはずすことにした。それほど魚が濃く、いくら釣っても終わらない。たっぷり3時間釣ったのだが、まだ川から上がる予定の場所に到達しない。もうここは十分と思ったので、川から上がり林道を歩いて車まで戻る。ほんの500mほどの距離しか釣っていなかった。

いけすを作ってみた昼から風が収まるかと思ったが、その気配もないのでカラフトマス釣りはあっさりと諦め、さらに二本の川でオショロコマをやってみたが、同様に魚が非常に濃い。午後4時、三本目の川で陽が山の稜線の向こうに消え始めた時、目の前の深みでライズが頻発するようになった。山の渓流では今まで当たっていた陽の光が陰った瞬間、魚の活性が激変することがよくある。

もうここで今日の釣りを終えるつもりでいたので、ちょっといたずらでいけすを作り、釣った魚をまとめて画像にしてみた。10分足らずのうちにご覧のようにオショロコマのいけすが出来上がり、しばらくその美しい姿をじっくり観察することが出来た。中には石を乗り越え、うなぎのようにくねって川に戻って行く魚もおり、イワナ属の強い生命力を見せてもらった。

もちろんこの後、お礼とともに川に帰ってもらい、いけすは跡形もなく処理しておいた。



知床スペシャルグリズりーキング4時半、早々に切り上げることにして相棒との待ち合わせの場所に移動する。
車の中で今日の釣りを思い出していると、オレンジのリーダーリンクにライズする魚が多かったのが気になった。これはオレンジ、赤系に対する意識が強いと思い、夜に合流する予定の相棒に、赤のマジックを持ってくるように連絡しておく。この日だけでも木に引っ掛けて10本以上のフライを無くしていたので、苦肉の策である。
右の画像は知床スペシャルの赤いウィングを持ったグリズリーキングである。赤の油性マジックでウィングを塗っただけだが、しばらくすると赤が弱まり、ちょうどいい程度の色になってくれた。


赤い川、赤い魚が多かった明けて13日、今日は相棒と二人なので、ちょっと奥までじっくりやってみることにする。2番4フィートの超ショートロッドの出番である。被さった枝をものともせずキャスト出来るので、こういう川では非常に重宝する。ご覧のように赤い岩の川なので、出るオショロコマも赤っぽいものが多かった。彼らは生まれた時からこの川の色になじんで育っている。捕食している水生昆虫もこの色に擬態していることだろう。即席の知床スペシャルが特に効いたのはそのあたりに原因があったのだと思う。

ここは今回の本命の川で大物を期待していたが、意外と出が悪かった。川に張り出している枝に真新しい餌釣りの目印が引っかかっているのを見ると、やる気が失せてしまい、早々に切り上げることにした。他の川にも先行者の跡が見られ、前日ほどの釣果はなかった。もっとも前日の釣果が異常だったのだが・・・・。



チシマフウロいつも十勝の賢いニジマスに苦労しているので、時々原初の北海道の姿を残す知床で、無垢なオショロコマと遊んでみたくなる。あれこれと戦術めいたものは一切必要なし・・・いるだろうと思う所を流せば必ず出てくれる彼らは釣りの本来の楽しさを満喫させてくれる。

大物を狙っていたが、釣っているうちに釣りそのものが楽しくなってきて、どうでもよくなってしまった。釣りをして、川原で休んで、景色を眺めて、写真を撮って・・・人工物の見当たらない川で瀬の音と鳥の声だけを聞いていると、強烈な遡行の甲斐があったとしみじみ思う。
また来年の夏に来よう。


'00.4.9(^_^;川のニジッコ

釣行記メニュー

'00.9.24(~~)川の三目釣り


十勝の自然とフライフィッシング Menu

TOP

十勝の魚

My Fly Box

ウェットフライ入門

釣行記

写真と随筆

自然の中で

自然の音声

十勝歳時記

十勝川の四季

リンク
掲示板
おまけ
花鳥魚月

ご意見、ご感想は

flyman●octv.ne.jp

巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「」を「@」に打ち直して送信して下さい。