’01年8月12日、13日 標津知床珍道中






野宿の様子11日夕方、ようやく仕事を終えて、即帯広を出発。標津方面の川に向かう途中、コンビニに寄って生鮮食料品を調達していると、相棒から電話があった。今回はちょっと用事があり、同行出来ないはずだったが、何とかなると言う。これで私もイブニングライズの時間まで粘れることになった。一人では暗くなるまでやるのは危険だが、二人ならどうにかなる。野宿の予定場所を教えておく。

野宿地はご覧のように林道脇で、左側はすぐ近くを川が流れている。右は草地で道路からは少し離れているので、静かに眠れそうである。夜半、やかましいRV車の音で目が覚めると、相棒が来ていた。明日の打ち合わせをして、再び眠る。

明け方、夢の中で牛の鳴き声がする・・・目が覚めると実際、すぐそばで牛が鳴いているのである。何と草地と思っていた右側は放牧地で、私たちの車を見て、モ〜モ〜と鳴いていたのである。この日は牛や馬によくビックリさせられたが、それを象徴するような一日の始まりだった。

河原の馬(熊かと思ったぞ!!)予定の川は思ったほど出が良くないので、第二候補の川に移動しながら、川があると一応チェックを入れる。橋の上から川の様子を見て入ってみるかどうかを相談する。

と、ある川で渓相を見ながらああだこうだと言ってると、橋の下から何か動物が出てきた。一瞬、熊かと思った私は心臓がバクバクし、かなり驚いた。近くの牧場で飼われている馬らしく、よく見ると河原に蹄の跡がいっぱいある。こいつに蹴られそうなので、パス。

次の川は小さい流れで、相棒はパスしようと言ったが、こういう流れこそ意外と出る、と踏んだ私は、ロッドだけを持ってちょっと入る。

ここかな〜、と思う所にアップクロスでウェットを打ち込むと、リーダーがフッと引き込まれる。軽くアワセると小気味良い引きが#2のロッドに伝わってくる。良型のヤマメを相棒に見せると、車にダッシュで戻り、準備をしている。

小さな流れで意外な良型
真っ青な空の下、二人でポイントを交互に攻めると、7寸から8寸の丸々と太ったヤマメがよく出てくれる。時折オショロコマも混じり、二人で笑いながら、楽しく釣り上がって行く。

と、上流で牛の鳴き声がする。この川は両側に放牧地があり、牛が放牧されているのだろうと思いながら、上がって行くと、相棒が言う。「川の中に子牛が座ってるゾ〜」

確かに子牛が川の中にいる。大人の牛達が岸でモ〜モ〜と鳴いている。しかし、どうも様子が変だ・・・動けなくなっているように思われる。岸から落ちた時、足でも痛めたのだろうか。これは放っておけないので、私は最寄の農家まで歩いて知らせに行くことにした。

川に落ちた子牛と言ってもかなり離れており、牛達の踏み跡を歩くがぬかるんでいる。しかも巨大なウ○チがあちこちに落ちており、滑ってコケそうになる。ここでコケたらえらいことである。ようやく家の近くに来たが、牛が勝手に出歩かないよう電柵が張りめぐらされており、これを越えないと大回りになる。

やっとの思いで感電を避けて越えると今度は牛が集団でこっちを見ている。「こっちに来るなよ〜」とつぶやきつつようやく到着し、家の人に知らせる。やはり、ここの牛だった。もっとも、周りに家がないので、ここしか考えられなかったが・・・。

同じ苦労をして現場に戻ると、相棒は草地に座って思いっきりくつろいでいやがる・・・牛のウ○チつきのウェーディングシューズで顔面に蹴りをいれてやろうかと思う。

しばらくすると牧場の人が来た。

牛の親子話を聞くとそろそろ産まれそうな母牛がいたそうで、この子牛は産まれてすぐに川に落っこちた様である。岸の上で一番大きな声で鳴いていたのがお母さんだろう。そういえば、普通家畜はみんな、くつわを噛まされているが、この子牛は何もつけていなかった。

産まれてすぐに川に落ちて、大丈夫なのだろうかと思ったが、牧場の人はそんなにヤワな動物ではない、と言う。引き上げの作業を始めたが、私達素人は何人いても邪魔になるだけなので、釣りに戻る。

その後、昼飯時になったので、下って来ると左の画像の様に、親子仲睦まじい風景が見られた。川から上がるとき、入念にウェーディングシューズを洗ったのは言うまでもない。

移動の途中、開陽台という展望台に寄ってみる。ここは330度の展望が開けており、地球の丸みが感じられる所である。展望台に行けばもっと眺望が開けるのだろうが、私たちはウェーダーに熊よけの鈴をぶら下げた姿である。こんなので、フラフラしたら、怪しいなどというものではない。駐車場から見た様子を下に紹介しておくが、これでも約200度をカバーしている。7枚の画像をつないで作ってみた。

開陽台からの眺め



岸の緑を映した川さて、本日の狙いの一つである川に着いた。昼過ぎに一時間半ほど午睡をとったので、元気は満開である。勇んで釣り上がって行くがどうも出ない・・・大場所で相棒がピックアップしようとしたフライにようやくヒット。しかし、掛かりが悪くバレる。どうも体型を見るとヤマメのように思われたが、色がずいぶん黒かったように思う。

正体を突き止めるべく、私が自作シンクティップでちょっと深めを探ってみると、ゴンと来た。何と丸々太ったオショロコマである。軽く25cmは越えており、朱点も鮮やかな素晴らしい魚だった。

これで、手ごたえを感じたので、夕方まで粘ってみることにした。この川は底が岩盤で出来ており、所々に岩の割れ目が走っている。この割れ目にオショロが潜んでいるようで、夕方になったら、きっと出るだろうと思われた。

良型のオショロコマ5時を過ぎた頃から、魚の活性が上がってきた。所々でライズが見られる。上流にウェットを打ち込み、ライズの付近をクロスさせるとゴン、と来る。底が白い岩盤なので、割れ目から魚が出てくるのが見えるし、フライを捉えて反転するのがはっきり見える。20〜25cmのオショロコマが面白いように釣れる。

魚がフライを食い損ねたのを見ては二人で大笑いし、バラしたと言っては悔しがり、釣っては放し釣っては放しを繰り返す。その場所で出なくなるとちょっと移動・・・また爆釣モードになる。そこが出なくなったら、またもとの場所、と繰り返すといくらでも出てくる。

熊の可能性があるので、橋からあまり離れないようにしていた。また、手元が見辛くなってくるとすぐに納竿。実に楽しい時間を過ごせた。


北斗七星翌日釣る知床方面の予定の川まで移動し、野宿の準備が終わったのが9時頃・・・真っ暗な空には信じられない程たくさんの星が張り付いている。天の川がくっきりと見える好条件である。何の好条件かと言えば、ペルセウス座の流星群の極大期がこの晩でなのである。

9時半頃から星がどんどん流れ始めた。中には火球と言えるほどの大きな流星もあり、銀塩カメラを持ってきていなかったことが悔やまれた。銀塩カメラがあれば、数個はモノに出来たと思うほどたくさんの流星を楽しめた。せめてデジカメで撮った北斗七星を・・・。


明日も早いし、首も痛くなってきたので、10時頃には寝たが、極大期の1時頃にはさぞかしすごかっただろうと思う。

もらったテント明けて13日、本命の川に入ろうとしたら、何と先行者・・・仕方なく別の川を2本探るがどこもイマイチ・・・・。昼前にはもう予定の川は全部見て回っていた。まあ、昨日たっぷり楽しんだのだから、帰るかと言うことになり、帯広方面に向かう。

しかし、途中で面白そうな所を見つけたので、近くのパーキングに車を停めてちょっと探ってみることにした。その時、パーキングに外人のカップルが自転車を停めて、荷物を整理していた。川に入ってみると、小さなヤマメがチョコチョコとフライをつつく程度で、早々に切り上げる。

さて、帰り支度をして出発しようとしたら、さっきの二人がいた所にテントが落ちている。忘れたのだと思った私はそれを車に積んで、二人を追いかけた。追いついてテントを渡そうとすると、何やら怪しげな日本語を話しているが、息が切れているので、ますます解らない。どうやら女性がへばってしまい、重いのでテントを放棄したそうである。それならと言うことで、私がもらうことにした。私がこのテントを使うような所で野宿することがあるかどうかは解らないが・・・・。何度も修理を加えた跡があり、きっと大切にしていたものだと思うが、それを放棄するほど自転車旅行と言うのはきついのだろう。


今回の釣行は釣りも面白かったが、色んなハプニングがあり、旅として面白かった。たまにはこんな釣行記もと思い、釣りばかりでなく、色んなものを詰め込んでみた。普段、旅行中は自然の中だけで過ごすことが多いのだが、今回の川は里に近い川だったせいだろうか・・・。

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