今年は雪が多く、二週間前ここに来た時、まだ林道が雪で通れなかった。この日もまだあちこちに雪が残っており、いつもの年ならもう満開になっているはずのエゾエンゴサクやカタクリも散見される程度である。
さて私達二人が昼前に釣り場に着いてみると、先釣者が5人もいる。話を聞くとライズは時々あるが、全然乗らないという。天気は良いが風が強く、今日も苦戦しそうな雰囲気がプンプンしている。
挨拶をして、苫小牧から来たという二人連れの間に入らせてもらう。#8の13ftにタイプ2のSTヘッドを乗せて、振ってみる。フライはこのタックルには似つかわしくないが、リードに#12のシルバーサルタンとドロッパーに#10のマーチブラウンを結んでみる。ずいぶん小さいフライだがこの時期のアメマス達は、1cmほどの灰色のカワゲラをよく食べているからである。リーダーは3Xの14ftほど。3Xに#12のフライではちゃんと泳がないだろうと思われるかも知れないが、ガッチリ結ぶのではなく輪を作ってアイと結ぶとフラフラと泳いでくれる。
二時間ほどここと思う所を狙い、キャスト&リトリーブをひたすら続けるが、全然反応がない。時おりライズがあるが、射程距離内ではない・・・・。そのうち釣り人は私達二人だけになってしまった。と、いきなりアタリがあった。しかし見事にあわせ損ねて乗らず・・・・。
これは…喰いが浅いようである。ライズはあるが、どうも射程距離内の魚は上を見ていないようなので根本的にやり方を変えるため、ラインをSTタイプ4に換えて底を取ってみることにした。さらにリトリーブのスピードも強弱長短の変化をつけて、魚を誘ってみる。
と、ようやくヒット! ロッドを立ててファイトに入るとすっぽ抜けてしまった・・・・トホホである。
しかし、やり方は正解のようなので、底を払う速度変化をつけたリトリーブを続けてみることにした。さらに、フライをチェンジ。困ったときのプロフェッサーで、リードをロイヤルプロフェッサー#10に換えてキャスト。天気が良く水の透明度もすごく高いので、ティペットも4Xにして、16ftほどの長さにしてみた。風は強いが追い風なので、バックキャストをしっかり振ればこの長さでも何とかターンオーバーしてくれる。
底を払うとフライにごみが引っかかるのを避けることは出来ない。確かに引っかかったごみを取るのが面倒くさいが、張り付いている魚は、フライがごみに引っかり、それを引っ張り出した瞬間に飛びつくことがある。ここの底は小枝や落ち葉が多いため、根掛かりしても引き抜けるので、この手が使える。春先には落ち葉はかなり分解が進んでいて、グイッと引くとフライだけ抜けて出てきてくれる。秋口の落ちてすぐの落ち葉ならこうは行かないが、これも今の時期ならではの方法である。
20カウント沈めて底を取り、リトリーブに入った瞬間、グッと来た。今度はがっちり掛かっているようで、ロッドのパワーに任せてグイグイ寄せた。ロイヤルプロフェッサーがジゴクにしっかりフックセットされているのを確認し、余裕のファイトで岸に引き上げた。48cmのなかなかよく太ったアメマスだった。
典型的なこの時期のアメマスで、金色が強く体色もきれいな紫色をしている。しかし、釣りの話はここまで・・・・実は釣れたのは二人で上記の一匹のみであった。
車中泊して翌日、天気予報の通り曇りの寒い朝で完全にライズもなく、沈黙状態だったので、早々に切り上げて帰途についた。この場所も年々土砂に埋まり、浅くなってきている。いつまでここでアメマス達と楽しむことが出来るのか、心配である。
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'04年5月23.30日 標高の高い川 |
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花鳥魚月 |
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