’04年5月23日、30日 標高の高い川






5月23日

桜前線がようやく到着した2004年5月の中旬と下旬は庭のロックガーデンの作り直しをしているので、午前中のみの釣行ばかりである。里の川は濁りが取れないので、標高の高い川に行ってみることにした。23日は寝坊をしてしまい、出発したのが10時近くなっていた。

里ではとっくに散った桜がちょうど満開で、あちこちで道草を食ったので、到着がますます遅くなってしまった。

川沿いの林道を走っていると、いつものポイントが見える。上から見ているとオショロコマがゆらゆらと泳いでいる。時おり反転しているので活発に餌を捕っているようである。



日陰はまだ雪が残っている急いで支度をし、#3ロッドを持って川に降りる。対岸の日陰にはまだ雪が残っている。水温を測ると11度、真夏でもこの川はこれくらいの温度で、年中ほとんど変化しない。だから、いつ来ても魚の反応はよく、空振ることは絶対にない。

周りがややこしい渓相なので、全長7ftほどのショートリーダー、4Xティペット、#12のシルバーサルタンを結んで、ポイント上流の大きな岩の陰に隠れる。ロッドだけ出して、フライを白泡の中に落とす。白泡の切れ目付近まで流して、軽くストップをかけると深みからオショロが上がってきて反転する。

ロッドを立てると、心地よい振動がコルクを通して手に伝わる。


オショロコマオショロコマは他の魚に比べて地域差が激しく、同じ十勝の川でも色や体型が違った魚がよく見られる。オショロコマはイワナやヤマメより底に近い所で、底付近のものを捕食する傾向が強い。この川のオショロコマは特に上顎の出方が他の川の魚より強いと思う。

盛夏なら水面直下を流すとよく反応するが、今の時期はあまり上に反応しない。だから、ちょっと深めに沈めた(と言っても30cmほど)フライに軽くテンションをかけて、自然に浮き上がってくる様子を演出すると一発で出る。

10匹ほど釣ったところでタイムアップ・・・たった三ヶ所のポイントを流しただけであったが、この日はここまで。


5月30日



一週間後の30日、別の川を予定していたが、雪代がまだ終わっておらず、再びこの川に・・・・。この日はちょっと違うフライを使ってみることにした。

流速より少し遅い流下速度で、水面直下にフライを保持しておく時間を稼ぎ、下を向いているオショロコマの注意を引く作戦を立ててみた。そのため、少し流れの緩めの側流のさらに外側を狙う。もちろん、通常のウェットフライでも可能だが、今日は逆さ毛鉤を使ってみることにした。

逆さ毛鉤逆さ毛鉤とは日本古来のウェットフライである毛鉤釣法で使うフライで、形はソフトハックルフライだが、ハックルの向きが逆になっている。これが水流を受けてフワフワと開閉し、魚の注意を引くようである。

私は’97年から使っているが、まだこれと言った使い方を確立しておらず、今も模索中である。その中でも、少しこれがいいかなという使い方が見えてきている。水流よりちょっと遅めに流したり、流れのゆるい所ではチョンチョンと軽い逆引きで誘うと、ハックルがフワフワと開閉し、魚は耐えられないようである。

逆さ毛鉤はいろんな素材で巻いてあるが、ゆっくり目の流れなら、柔らかいマテリアル、強めの流れであれば硬めのマテリアルを使う。一羽のパトリッジがあれば、ブレストやショルダーのフェザーを使い分けるといい。いずれにせよ、アイがハックルに隠れるので、ティペットを結ぶ時はちょっと面倒くさい・・・。


オショロコマこの日は前回よりずっと上流部から入渓。ポイント上流に立つ。開けた渓流ならこんな場所には立てないが、山の渓流なら身を隠す障害物がたくさんあるので、まず大丈夫である。しかし、もちろんなるべく体を低くして、キャストする。ポイッと投げ込むようにフライを流芯に投入する。早くフライを流れに沈めるためにオーバーターンさせて、叩き込むつもりで打ち込むのがいい。魚は決して着水音で逃げることはなく、逆に上に注意が向くものである。少し流してから軽いテンションで側流に出し、流れより少し遅めに流すと深みから上がってきて反転する。

オショロコマはちょっとしつこ過ぎるほど流してみないと出ない時もある。小物しか出ないからと言って、あっさり次のポイントに移動せず、何度か同じラインをトレースしてみると、意外な大物(と言っても20cmちょっと)が出る時がある。

大き目の場所ばかリ数ヶ所釣るともう満腹になるほど釣れたので、あっさり納竿。雪代で釣りにならない時も、原生林の中を流れるこの川はいつも別世界・・・・。


'04年5月2-3日 山の湖

釣行記メニュー

'04年8月12、13日 知床某所





十勝の自然とフライフィッシング Menu

TOP

十勝の魚

My Fly Box

ウェットフライ入門

釣行記

写真と随筆

自然の中で

自然の音声

十勝歳時記

十勝川の四季

リンク
掲示板
おまけ
花鳥魚月

ご意見、ご感想は

flyman●octv.ne.jp

巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「」を「@」に打ち直して送信して下さい。