’04年8月12、13日 知床某所





8月12日

よい天気、適度な暑さ、いい空気、いい川異常な暑さが続く’04年。真夏日がこんなにたくさんある夏も珍しい北海道であるが、知床の山の中は別格だろうと期待いっぱいで11日宵に帯広を出発する。

のんびり走って、深夜に野宿予定の場所に到着。外に出てみると半袖では少々寒いほどである。雲が走るように飛んでおり、星ははっきりとは見えないがペルセウス座の流星が時折飛ぶ。朝に陽があたると暑くなるので、東に木々がある所に車を停める。

明けて12日、8時過ぎに目が覚める。ゆっくりと朝食を摂り、ほんの5分ほどの距離にある今日一本目の予定の川まで移動。

逆さ毛鉤いろいろ今年は逆さ毛鉤だけで釣ってみようと、早くからたくさん巻いておいた。逆さ毛鉤はハックルの抵抗が大きいため、水流の速い所では浮きがちになり、強いドラグを掛けると水面を滑走してしまう。それを避けるために、ビーズヘッドを付けた物を用意してみた。ビーズヘッドはフライの姿勢も安定し、沈みながら流下してくれるのがありがたい。また、ソラックス部分にシールズファーを各色巻いた物も作っておく。

その逆さ毛鉤をティペットに結び、今年の一本目の川原に降り立つ。ロッドは#3の6ft、リーダーは先端が4Xの6ftほど。少々水位が低いが、かえってポイントを絞り込める。第一投・・・ミス。チェイスしていたようで、ピックアップ直前に水面直下でオショロコマが反転した。二投目、今年の知床一匹目がヒット。「よしよし、今年も良さそうだ」とニンマリ。


逆さ毛鉤にヒットしたオショロコマポイントを一つ一つ拾いながら釣り上がって行くと、例年ほどの出ではない。今年は暑いので、昆虫の量がかなり多い。テレストリアルを飽食しているためにフライへの反応がイマイチなのかも知れない。

試しにピーコックハールをボディにしたシルズミッジ(ソフトハックルフライ)にフロータントを施してドライのように使ってみると非常に反応がよい。また、逆さ毛鉤にドラグを掛け、流れの緩やかな水面をスケーティングカディスのように滑走させると数匹がアタックしてくる。魚たちは水面に意識を集中させているようである。こんなときは圧倒的にドライに分があるが、あえて沈めて逆さ毛鉤を使う。流し方、沈め方、誘い方のいい練習になる。

黒のシルクスレッドにクートのハックルで巻いた逆さ毛鉤が他の毛鉤より明らかに良く釣れたのは、蟻も連中の捕食対象に入っていたためだろう。釣れてくる魚すべてが丸々と太り、いいパワーをしている。出方はちょっと渋いが、魚体はしばらく餌を食べられなかった去年の大水の直後とは大違いである。

午前中、その川で楽しく釣り、午後は別の川に10分ほどで移動。


オショロコマの群れ入って20mほど釣りながら移動すると、直径5mほどのプールがあった。見てビックリ、何とオショロコマの群れがいる。水深60〜80cmほどだろうか・・・画像では一部しか写っていないが、100匹は軽くいる。

見える魚は釣れないという。しかし、逆さ毛鉤を打ち込むと沈んでいく途中に数匹がアタックしてくる。ロッドを立てると掛かっている。これで群れが散るかと思ったが、全く関係なく、同じように釣れる。ミスキャストして、プールに被さっているイタドリ(画像の上)に引っ掛けてしまった。ロッドをあおってフライをはずすとその振動で群れが散ってしまった。

が、プールの中央に群れが移動しただけで、そこにフライを落とすとまた同じように釣れる。そのうち群れは元の位置に戻る。ちょっと喰いが悪くなると、別のパターンに換えれば同様の反応をする。いい加減飽きたので、別のポイントに移る。

グッとえぐれた深み・・・いつもこういう所ではフライを沈められず臍を噛んでいたが、今回はちょっと違う。今回の知床釣行は逆さ毛鉤を試す以外にもうひとつの目的があった。#4のフローティングウェートフォワード部分を2m程カットし、それにシンキングタイプ2か3を80cm程継ぎ足す。バッキングの代わりに中空のシューティング用のランニングラインを使う。このラインを#3のロッドに乗せる。これでシンキング部分は水の中、フローティング部分は水の上、流れに持っていかれやすい部分は軽いシューティグラインなので、空中に保持できる。これに4ftほどのティペットを結んでビーズヘッドの逆さ毛鉤で深みを探る作戦であった。

このラインを使うのにちょうどいい場所があり、深みにはちょっと大き目のオショロコマの姿も数匹見える。沈む時間を稼ぐためにちょっと上流部に打ち込み、魚の位置までナチュラルに流し、ちょっとドラグをかけると反応した。軽くあわせるとなかなかいい引きをする。8寸ほどのオショロコマであるが、尾びれの付け根にえぐられたような怪我をしている。ヤマセミの飛んでいる姿を見かけたので、もしかするとそれにやられたのかもしれない。画像を撮ろうと、濡らした蕗の葉の上に乗せてカメラを出していると、ピョンと跳ねて川に戻って行ってしまった。

午後2時頃まで楽しく釣って、車に戻りしばらく休憩する。午後4時に相棒とある川で待ち合わせていたので、その川に移動。相棒と合流して、ここから二人で釣りを始める。暗くなり始めるまで、あまり反応が良くなかったが、6時半頃からバンバン釣れ始める。ここはかつて夕立のようにライズリングが沸き立つイブニングを経験している場所である。しかし今年は暑さのためか、イブニングの始まる時間が少し遅かったし、ライズも少なかったように思う。水銀灯が近くにあるので、暗くなるまで十分に楽しんで納竿。

8月13日

12日夜はペルセウス座流星群の極大日であるが、見事に曇っていて星は全く見えない。それどころか霧雨が降っている。携帯も圏外なので、天気予報を見ることが出来ないし、ラジオもタイミングよく天気予報をやっている時に聞くことが出来ない。天気を心配しながら、就寝。

怪我をしたオショロコマ明けて13日、雲は多いが雨は降りそうにない。前日のオショロコマのプールの話をしたら、そこに行きたいと相棒が言うので、まずその川に入る。昨日より魚の数が多くなっているように見える。相変わらず簡単に釣れてしまうので、飽きてしまう。釣りながら移動していると相棒がいいサイズを上げた。なんと前日私が釣った怪我をしたオショロコマである。今度はちゃんと撮影する。


しかし、前日私に釣られてまた今日も釣られてしまうとは・・・。本当にオショロコマは疑うことを知らない魚である。

この川は私が前日ほんの30mほどの間だけを釣っただけなので、もうちょっと探ってみることにした。一人ではちょっと上流部は怖いが二人なら心強い。もちろん鞄には熊除けの鈴がつけてあるし、万一の時のためにカウンターアソルトも用意してある。出はいいがサイズが小さい。大場所でも小さいのしか出ないので、切り上げて別の予定の川に移動する。


浅く見えるがけっこう深いここは毎年二人で楽しみにしている川であるが、今年はちょっと様子が違った。踏み跡の道が出来ていたのである。毎年ほとんど藪こぎ状態で入渓しているのに、今年はすいすいと入れる。ちょっと嫌な予感がしたが、予想通り入渓点は全く反応がない。川原には足跡もかなりあり、けっこう釣り人が入っているようである。ちょっと様子を見るため、その場所から相棒は上流へ、私は下流へと別れて探りを入れてみることにした。上流はまあまあだったようであるが、下流はかなり釣られている様子だった。この場所もそろそろ見切りをつけて、また新しい所を開拓しなければならないようである・・・・。

雨の匂いがプンプンしてきたし、二人とも十分に釣って楽しんだので、午後3時には切り上げた。帰り道に雨が降り出したので、いいタイミングに納竿したようである。帰り道に来年のため、道沿いの川に細かくチェックを入れておいた。有望な川も何本かあったので、また楽しみが出来た。



’04年5月23、30日
標高の高い川
釣行記メニュー 十勝川釣行





十勝の自然とフライフィッシング Menu

TOP

十勝の魚

My Fly Box

ウェットフライ入門

釣行記

写真と随筆

自然の中で

自然の音声

十勝歳時記

十勝川の四季

リンク
掲示板
おまけ
花鳥魚月

ご意見、ご感想は

flyman●octv.ne.jp

巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「」を「@」に打ち直して送信して下さい。