’05年8月12、13日 知床方面某川





ペルセウス座流星群を期待して11日、仕事が終わってから午後10時頃に家を出る。明るいうちの移動は車が多く、また観光シーズンでもあるので、なるべく避ける。今年は知床が世界自然遺産に登録され、当然観光客が増えることが予想されたので、この時間帯を選んだ。

この選択は大正解で、ガラガラの道をすいすい走り、4時間足らずで野宿予定地に着く。

毎年知床釣行の時期はペルセウス座流星群の極大期にあたるので、晴れていれば写真を撮ろうと魚眼レンズを用意していた。

ご覧のようにまったく光害のないすばらしい星空が楽しめた。流星も30個/一時間は飛び、思わず声の出るほどのものもあったが、なかなか画像には写らない…。しかし、このくっきり見える銀河は睡眠時間を削ってでも見る価値は十分にあった。車の中の手製簡易ベッドでシュラフに包まったのは午前3時を過ぎていた。


フライ、陸生昆虫を模したものと水生昆虫を模したもの12日朝・・・ゆっくり寝坊を楽しもうと思っていたが、7時前には目が覚めてしまった。起きてしまえば、至近距離に川があるし、すばらしい天気なので、車の中でウジウジしていられない。早々に朝食を頬張り、15度の気温の中クシャミをしながら2番ロッドをつなぐ。

さて、今年のフライは逆さ毛鉤のダブルビーズというものを作っていた。しかし、それは深場をじっくり流す目的で巻いたので、早朝の活性の高いうちはご覧のペアを流してみることにした。リードはメイフライ、この時期にメイフライのハッチはないが、小型のカワゲラの代用になる。ドロッパーはクラレットアンドブラック、陸生昆虫の代用になる。


逆さ毛鉤ダブルビーズ毎年、一応第一投はちょっと緊張する。何となく今年の釣行を占うような気がするので、慎重に場所を選び、ここという所に一発で落とした。ちょっと沈んだフライに深みからオショロコマがアタックするのがジンクリアの水の中、はっきりと見えた。反転したのを確認してロッドを立てると心地よい振動がコルクに伝わる。今年も楽しい釣りが出来そうだ。次々とポイントを釣りながら川を歩く。


逆さ毛鉤ダブルビーズにヒットさて、去年シンクティップである程度の深さまで探れた大場所に到着。今年はさらに逆さ毛鉤のダブルビーズバージョンを試してみる。少々上流に打ち込み、沈む時間を稼ぎ、適当な所でロッドティップをストップ。クンッとラインが持っていかれる。同じパターンでどんどん釣れる。

これだけ数がいれば、本当にこのフライが効いているのかどうか怪しく思われてきたので、通常のウェットフライにチェンジして試す。何度か交互に使ってみたが、逆さ毛鉤に分があると思われた(思いたかった?)。という風に一箇所でフライを何度もチェンジして釣果を比較できるほど魚が濃い。

この場所は毎年最初に釣る場所だが、今年はどうも魚体が太くて大きく思われた。


23cmのオショロコマ9時過ぎまで釣って、次回の釣行のためにちょっと足を伸ばして川を探しておく。こういう風にこれはいけそうだなという所を来年のために抑えておく。

その後、去年下見をして、ものになりそうだと目を付けておいた川に移動。出ないことはないが、サイズも数もイマイチなので、昼前には上がる。

昼食後、昨夜あまりよく寝ていないので、少し車で仮眠をとることにした。日陰の場所に車を停めて、開けたウィンドウに網を張って虫が入ってこないようにして寝る。

ちょっと寝るつもりが、目が覚めたのは午後4時半・・・頭を掻きながら、準備をする。イブニングの本命にしている川は今年も絶好調。3番ロッドを心地よく曲げるサイズがバンバン出る。


かわいいヤマメも混じるイブニング陽が落ちると、どこにこれだけ隠れていたんだろうと思うほどの魚が出る。ヤマメも混じるし、ドロッパーとリードにダブルヒットし始めたので、ドロッパーをはずす。魚はイブニングの半狂乱、私もワンキャストワンキャッチの連続に半狂乱。

小さい魚も混じるが、早朝この川の支流でも感じていたとおり、やはり今年は大き目のサイズが多い。アベレージも例年より明らかに大きい。

午後7時頃まで楽しんで、一日目は納竿。全く明かりのない野宿地に移動して、晩飯をパクつきながら、月が沈むのを待つ。月の残照もなくなり、闇になった頃に相棒が合流。二人でペルセウス座流星群を楽しむが、オッサン二人ではロマンチックもへったくれもあったものではない。

たっぷり二時間、星明りのみの中で首が痛くなるまで空を見ていたが、夜空を撮影していたカメラの電池があがったので、11時頃に寝ることにした。


快晴の川
明けて13日、早朝から真っ青な空が眩しい。この日はしらみつぶしにあちこちに入渓して楽しむことにした。今年は大き目の魚が多い、と相棒も同じ感想をもらす。

分厚い流れの深みでヒットすると2番ロッドでは寄せるのに時間がかかる有様で、二本目の川では二人とも3番のロッドを使う。

大き目のストーンフライがハッチした跡があり、白っぽいカディスもいる。そのせいかフライを水面近くで流速よりちょっと遅く流したり、ストップさせるのが効果的で、陽が高くなってもその流し方をすると魚の反応は良い。

暑くなったら川の中に座り込んで涼む・・・水温は13度と冷たく、日陰に入ると一気に汗が引く。



良型のヤマメを釣った川、飽きるまでオショロコマを釣った川、渓相は少し変わっているが昔の面影の残る川、懐かしい川を次々回って時間が過ぎていく。入渓のための藪こぎ、崖の登り降りも多かったので、擦り傷や打撲が多かった。さらに久しぶりにダニにも喰われ、虫除けスプレーをしていても虫にはあちこちやられた。しかし、そんなこともたいして気にならないほど楽しく、源流釣行という雰囲気をたっぷり楽しみ、今年も満腹状態になるまで釣り、そして帰途に着いた。



’05年7月17日
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