’06年8月12日 13日 知床方面





深夜、濃霧のテン場11日仕事を終え、午後9時過ぎに家を出る。途中霧に遭うが、オホーツクが近づくにつれてさらにそれが濃くなってくる。4時間後には知床のいつものテン場に到着するが、その頃にはまるでミルクの中だった。ご覧の写真を撮っている間に蚊とブヨにやられ、この釣行の前途を暗示するようだった。

涼しい気温の中、疲れもあってすぐに眠りに落ちる。明けて12日午前六時に目が覚めたが、何も焦ることがないので、二度寝を決め込む。次に目が覚めたのは午前八時。霧雨が降り、少々肌寒い。

何をするでもなく、ぼんやりテン場の風景を眺めていると、また虫にやられた。今年は虫が多く、ちょっと油断していると即刺される。釣りに行く時、必携のキンカンを虫にやられた所に塗る。


オショロコマの腹ゆっくりと移動して最初の入渓点に着く。念入りに虫除けスプレーを吹き付けるが、こんなものは気休めにしかならない。ちょっと汗をかくとすぐに効かなくなるのは解っている。二番ロッドにラインを通して、フライのバーブをペンチで潰しておく。滑らないように川に下りていく。

毎年、一投目はちょっと緊張する・・・失敗。二投目も見事にずっこけてしまった。三投目に今年の一匹目が釣れた。その後は例によって例のごとく、ここと思われる所では確実にきれいなオショロコマが反応してくれる。

今年も楽しく過ごせそうだと思いながら、ゆっくりゆっくり釣っていく。もう30は釣ったかな〜と思った時、まだ入渓点からほんの20mも移動していなかった。入った時降っていた霧雨もすっかり止み、雲の間には青空も見えるようになって来た。それでも暑い、というわけではなく、12度の水温に膝まで入っていると、ちょっと寒いほどである。


全部が緑色に染まっている川どこまで釣るか何も決めておらず、ただ釣っては川を眺めて休憩を繰り返す。したがって全然距離は稼げず、今年もこの川は入渓点から50mも進めなかった。しかし、時間だけは3時間以上かかっており、昼過ぎまでたっぷり楽しんだ。

今年の魚は異常に活性が高く、ドロッパーをつけるとダブルヒットするので、リードのみで十分だった。どの魚も腹いっぱい虫を食べているのか、よく太っており引きもなかなか強い。二番ロッドで流れの中でヒットすると、側流にひっぱりだすまで、ちょっとのされるありさまだった。

この場所に着いた時、対岸のえぐれにミンクを見つけた。どうやら巣があるようで、ミンクに荒らされていたら釣果は望めないと思った。しかし、ミンクに獲られているはずだが、他の所なみにバンバン釣れた。この川がいかに濃いかを証明している。


流心から飛び出したヤマメ。昼休みをとって、二本目の川に・・・。ここは毎年イブニングを楽しみにしている所である。ベストポイントは置いておいて、まず別の所から始める。

昼を過ぎて少し温度も上がってきたが、暑いというほどではない。それでも流芯でライズが頻発するようになってきた。それを狙ってウェットを流すとスプラッシュを上げてヤマメも出てくるようになった。

流芯で出ればヤマメ、流しきってちょっと流れが収まった所で出ればオショロ、ときれいに棲み分けているようだ。



大き目のオショロコマ周りが暗くなり始めた頃から、あちこちでスプラッシュが上がり始める。楽しみにしているイブニングライズの時間である。何もイブニングでなくても十分に釣れるが、魚の反応の良さが楽しい。魚は何も疑わずフライを捕らえ、こちらも余計な策は一切必要なし・・・。

川原に座り込み、そこから届く範囲を釣っているだけで十分に楽しめる。ワンキャストワンキャッチを何度続けられるかとアホなことを試す。逆引きをやったりしたらもっと続いただろうが、ダウンアンドアクロスだけで勝負してみた結果、意外と少なく四回連続が最高だった。

七時過ぎまで釣って納竿。ヨタヨタと車に戻り、再びテン場に・・・。昨年はペルセウス流星群が素晴らしかったが、今年は完全に曇っている。もし晴れていても月の明るさでイマイチだったろう。夜半まで本を読んで過ごし、夜気を吸っていると、やかましい車の音が・・・相棒の登場である。

霧に朝日が差し込んだ瞬間明けて13日、午前六時過ぎに目覚める。この日は雲があるが、昨日のように濃霧もなく、好天が予想された。軽く朝食を摂ってさっさと川に行く。川はご覧のように霧に朝日が差し込み、幻想的な美しさだった。

昨日私が午前中に楽しんだ所に入る。私はもう十分にこの場所で楽しんでいるので、適当にやるつもりだった。しかし、やはりロッドを手にするとけっこう気合が入ってしまう。

昨日は入渓点からほんの50mほどしか釣らなかったので、この日はちょっと別の所まで足を延ばしてみた。と言っても30mほどだろう。が、すごい所があり、私のワンキャストワンキャッチ記録が5に伸びることになった。もう笑うしかない魚の濃さで、釣っても釣ってもドンドン釣れる。

赤と黒九時過ぎに上がり、別の川に移動。予定の川は人が入っていたので、パスする。日曜日が重なったせいか、今年は人が多いようである。

ひとつ川を飛ばして入ったこの川は、昔印象的な釣りをした思い出がある。実は今も使っているトップページの背景の川である。この川は水位がちょっと低めだったが、魚は相変わらず濃い。

しかし、楽しみにしていた場所は大水で石が入って、面影がなかった。美しく楽しい場所だったが、自然にこうなったのなら仕方ない。また、ドカンと水が出て元に戻るのを楽しみにすればいい。


きれいな川で楽しく釣る昼過ぎにこの川から上がり、休憩・・・私はもう十分に釣ったので、イブニングの楽しみは相棒に譲る。ゆっくり帯広に向けて出発する。

川に入って川から上がる度に虫刺されの箇所が増えた・・・。今年はずいぶんたくさん虫に刺された。家に帰って数えてみると14箇所もあった。この虫の多さが今年の魚の元気さにつながっていると無理やり思えば、腹も立たない。痒いけど・・・・。

でっぷり太った元気なオショロコマはしっかり川で繁殖を繰り返し、また来年も楽しい思いをさせてくれるだろう。

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