’10年4月春休み 某川ニジッコ釣行







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4月4日(日曜日)


4月に入り暖かい空気が南から吹き込んで雪解けが一気に進んだ。十勝川下流部は濁りが強まり、水位もドンと上がってしまった。ネットで3月末からの推移を見ていると、4月頭の休みに、まだ十勝川でアメマスが釣れるかもしれない、と淡い期待を抱いていたが、見事に粉砕されてしまった。

4月初め、私は少し春休みがあるので、どこに行こうかと迷っていた。濁りの少ない十勝川の中流部でやってみようかと思っていたが、知り合いがニジッコの川に行かないか、と提案してくれたので、即ライズしてしまった。今年はじめに、あるロッドビルダーに注文して組んでもらったオショロコマ専用のグラスロッド2番7ft 変則三本継ぎ、入魂はオショロコマにしようかと思っていたが、早く使いたいので、持って行った。

十勝中部のこの川はご覧のように両岸にまだ雪がどっさり残っており、探ってみたがまだちょっと早かったようだ。そこで、私も昔はよく通ったある川に移動。そこは一部護岸工事が施されて、私はそれをきっかけに行かなくなっていたのだ。


さて、この川は湧き水を源に持っているスプリングクリークで、早くからヤマメやニジッコが元気に活動する。着いて川面を見ていると、ライズがそこここで見られる。護岸工事をされていない所は、昔と全く変わっていない。ずいぶん長く来ていなかったので、懐かしかった。

しかし、しかしである。この川は大して深くないうえに、川底に梅花藻の塊やら、葦の根の塊やらが点在しており、それが流れを複雑にし、さらに障害物になるので、ウェットにはトコトン向いていない川である。川面の面積比で言うと、水:障害物=4:6で水面の方が少ないほどである。ドライでも障害物の間を縫って落とし込むのはなかなか難しいだろう。

ライズポイントの上部に落とし、沈め、ラインを張って横と縦のターンを組み合わせて誘うが、全然反応がない。十分に沈めるほどの距離が稼げないのだ。

ウェット以外使いたくない私としては、非常に困った川である。リーダーに鉛を着けるのは嫌いだし、フライにウェイトを入れるのも好きではない。ビーズヘッドは使うが、今日はビーズヘッドパターンを持ってきていないし、なるべくなら使いたくない。

そこで困った時のプロフェッサー、私の一番好きなウェットフライであるプロフェッサーの14番を結んだ。立ち位置を少し上流側に取り、シュートの後ロッドを急にストップさせ、オーバーターンさせて、水面幕を破って早く沈める。手前の葦の根の塊を避けるために大きくリーチし、フリッピングでラインを送り、少しでも沈む時間を稼ぐ。

リーダーがフッと引き込まれ、ようやく引っ張りだしたのが、左の画像のニジッコである。ロッドの入魂も完了したので、移動して少し広い所に。ここは川面に障害物がなく、比較的流しやすい所だ。ライズが散見されるが、なかなか取れない。


ちょっと高い所から見ると、40UPのニジマスもいる。しかし、連中は上に意識がないようで、取るのは難しそうだ。ここは流れが複数本まとまる場所で、複雑にもつれ合い、フライを上手くターンさせられない。さらに沈めすぎると、ここでも梅花藻が待ち構えている。

何投かすると、ようやく流れが読め、上手くターンをさせられるようになった。デッドで流し込んで、流れが開く付近でロッドをストップすると、コツンと来た。あわせるといきなりピョンと跳ねた。ロッドを立てて、ラインをリトリーブするがそれより速く私の方に向かって走ってきたので、一瞬ラインが弛んだ。手前の深みの梅花藻に入られたが、何とか引っ張り出して取り込めた。何しろ2番の超スローロッドなので、このサイズでも満月になる。斑点の少ないニジッコだった。

ニューロッドの初陣にしては難しい釣りだったが、ロッドの性能をいろいろ試せたのが大収穫だった。キャスタビリティも十分だし、超スローなのでどうかなと思っていたアキュラシーも慣れれば問題ないし、いざとなると魚を寄せるだけのバットのパワーもしっかりある。二匹の魂が入ったので、このロッドはオショロコマのシーズンまで眠らせておくことにしよう。



4月5日(月曜日)

昨日は午前中だけの釣りだったが、今日は夕方2時間足らずの釣りだった。今日は4番7ft半のロッドを持って、昨日と同じ場所に入る。リーダーを見ると6ftの超ショートが結んである。去年、最後に使ったとき、シンクティップを使ったので、超ショートを使ったのだ。シンクティップを使う時は、ライン自体が沈んでくれるので、フライはラインに近い方が深みを流れるからだ。

今日はフローティングラインなので、フライとラインの距離をとるためにリーダーはちょっと長めが適している。12ftの4Xくらいを、とベストのポケットを探す・・・・が、ない。ウェーディングジャケットからベストに衣替えしたばかりで、何かと忘れ物も多い・・・。仕方ないので、3Xを3ft継ぎ足し、4Xを2ft継ぎ足し使うことにした。あまり沈めすぎると梅花藻釣りになってしまうので、これくらいにしてみた。

フライは14番のプロフェッサーがリード、14番のロイヤルプロフェッサーがドロッパーである。リードとドロッパーの間隔は約50cm。


気温は10度ほどはあるだろうか、昨日より暖かく、1cmほどの黒いストーンフライがハッチしているし、ユスリカの蚊柱も立っている。ライズは昨日と同じ程度、ポツポツと見られる。表層の流下物は見当たらないので、水面直下で吸い込んでいるようである。まあ、何が流下していようが、このフライの組み合わせなら何とかなるだろう。

今日は高い所から魚の位置を確認しなかった。人影を見せて散らせては、と思ったのである。遠回りに川に入り、上流から昨日の流れ方を思い出しながら、フライを打ち込む。


すぐにリードに反応があり、ニジッコが釣れた。20cm台中頃か。次に掛かったのはご覧のホウライマスだった。愛知県鳳来町の水産試験場で発見されたためこの名前が付いたそうだ。無斑のニジマスで、何だかツルッとして見える。



距離を出そうとフォルスキャストを長く取っていると、バックの木の枝に引っ掛けてフライをロストしてしまった。入った時にちゃんと木の位置を確認しているのだが、ライズを目の前にすると忘れてしまう・・・修行が足りない。リードをメイフライ12番に、ドロッパーはロイヤルプロフェッサー12番に変える。

流れの終わり付近にダウンクロスで投げ、デッドで流し、開く所でストップをかけると、グッと来た。理想的な釣れ方だ。梅花藻のある所に潜り込もうとするが、今日のロッドは4番なので、そうはさせない。メイフライをくわえて上がったのは30cm足らずのニジッコだった。

この後、もう一匹ニジッコを追加。午後5時半になると、気温はグッとさがり、もう寒くて手がかじかんできた。しかし、ライズがまだあるので、粘ってみる。6時までやってみたが、結局今日は4匹だった。まあ、昨日よりはある程度対応できていたようだし、少しではあるがサイズもよくなったので、よしとしよう。

6日も予定していたが、どうも気温がイマイチ上がらず、天気もよくないので、中止した。二日間、久しぶりに早春のスプリングクリークでのややこしい釣りを堪能した。いつもいつもこういう釣りはちょっと疲れるが、たまにはいいものだ。



’10年3月17日 十勝川 釣行記メニュー ’10年5月2日 某川アメマス





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