３月１１日、ちょうど一年前のこの日、あの大震災があった。釣りに出かける前に携帯のタイマーを１４時４６分にセットしておいた。

今シーズンのアメマス釣り、毎年晩秋から初冬にかけて十勝川下流域でやるのだが、全く良い話が聞かれないので、初めて欠席してしまった。３月に氷が落ちたら行ってみようと思っていたが、雪が多く、しかも寒さも例年になく厳しいので、のびのびになっていた。

今日は、十勝川をボートで下り、途中のポイントでやってみようとの作戦だ。てつろうさんと１２時過ぎ、車二台で出発。私の車をボート回収予定場所に置いて、少し上流にてつろうさんの車で移動。ボートを川に降ろし、ゆっくりと下りながら、川の様子を観察する。この時期、十勝川は水量が最も少なく、ゆったりと流れているので、私達のゴムボートでも全く危険はない。それどころか、漕がないと進まないような所も多々ある。

Hook	写真はCODE Ｍ
Thread	ブラック
Tail	ダイドブラックスクイレルテール
Body	シルバーフラッシャブーダビング
Body Hackle	ナチュラルブラックスペイコック
Throat	ピーコックブルーネック
Wing	ピーコックハール（アイの先端部分）
Side	ジャングルクック
Head	クリア

日差しは暖かく感じられるが、最高気温はマイナスなので、風に吹かれるとかなり寒く感じる。初めての探索なので、不必要にゆっくりと下っていく。

「ここは！」と思われる所があったので、ボートを岸に静かに寄せる。浅い部分に来るとパドルで川底を強く押してボートを確保するので、乗り降りも不安なくすることが出来た。川岸に張った分厚い氷に積もった雪の上に引っ張り上げておけば、ボートが流される心配もない。

雪の上でロッドをセットする。ゆったりした流れの払い出しの所からやってみようということになった。いかにも良さそうな所で、ここは雪に閉ざされ、ボートでなければ絶対に入れない場所である。

上の写真のように、足跡はキツネと鳥のものだけで、人間は私達だけである。私の今日のタックルは６番９ｆｔ、ラインはタイプ４のＳＴ、ティペットは３Ｘ、ドロッパーにグリーンアクアマリン、リードにデューク(左図)。気温がマイナスなので、ご覧のようにガイドに氷が着く。時々、ロッドを水の中に入れてグリップを叩き、氷を落としながらの釣りである。

３０ｍほどキャストアンドダウンを繰り返し、流れが少しゆったりした所でアタリがあった。ロッドを立てると頭を振る手応えが伝わってくる。ニジマスかと思うほど、上下に走る。寄せてみると４０ｃｍほどのアメマスだった。しかし、ネットを出して、すくおうとした瞬間えら洗いされて、バラシ。「ありゃ、しまった」・・・。

私がヒットしたのと同時に少し上流で釣っていたてつろうさんもヒット。てつろうさんは無事にゲット。この一匹は彼のフライでの十勝川初アメマスである。記念撮影中の彼を記念撮影。大喜びしても、周りに誰もいないので、迷惑がかからない。完全に私達だけの釣り場になっている。彼のヒットフライは赤系、私は黒系だった。

その後、すぐに私にヒット。しかし、またしてもすくう直前でバラシ。前回同様フックポイントに全く問題はなく、連発バラシは少々ヘコむ・・・。



このままでは終われないので、気合を入れなおして川に入る。シュート、ダウンアンドアクロス、リトリーブ、数歩ダウンを繰り返し探り続ける。フライはドロッパーを取り外し、深めを探るためにビーズヘッドを着けたジェネラルプラクティショナー１本でやってみる。

アクロスの最中にグッとフライを抑えて、クンクンと頭を振る、いかにもアメマスらしい引きが伝わってくる。今度は少々慎重に、えら洗いさせないように寄せる。サイズはご覧のようにたいしたことはなかったが、今シーズンの一匹目であった。

この場所はここまでにして、またボートに乗ってちんたらと下っていく。その時、携帯のアラームが鳴った。１４時４６分になったので、川の中からであったが、南西方向に黙祷。結局、他に２ヶ所ほど良さそうな所があったが、距離的にそろそろボートを上げる所に行かなければならないので、割愛。それほど長い時間ではなかったが、偵察は十分に出来たと思う。


この場所を探し当てられたのが、今日の一番の収穫だった。フライを流すのにちょうど良い流れで、バックも開けて振りやすく、魚はプレッシャーが低いようである。もう少しいろいろ試したら、面白い結果が待っているかも知れない・・・・。

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