Basic Wet Fly Fishing 渓流の場合

始めに

渓流でのウェットフライフィッシングはそれ程難しいことではありません。ドライフライで魚を釣った経験のある方なら、誰でも出来るはずです。ただ、ドライのように目に見えないので、ちょっと慣れが必要なだけです。ここでは入門のための基本中の基本を解説してみました。タックルは「タックルとテクニック」を参照して下さい。これでウェットによる最初の一匹をゲットして下さい。

From Up to Side Stream

まず、アップからサイドストリームでのウェットフライフィッシングの基本を図解します。この画像をじっくりご覧ください。「何だドライと一緒だ」と思われたことでしょう。事実、アップからサイドではドライと同じと考えてもかまいません。

渓流でよくあるパターンを採用してみました。この画像で川は左から右に流れており、中央付近に少し流れの速い部分があると仮定しています。フライ、リーダーは水の中に入っていて見えません。もちろん魚も見えません。

アップストリームの時

1.アップにフライをキャストします。

.フライが下流側に流れてきます。

3.メンディングによって、フライにドラグがかかるのを防ぎます。

4.魚がフライを捕えます。

5.魚はフライを捕えていますが、ラインは下流に流されています。


詳しい解説
1. もちろんリーチ等をしてなるべく流れにラインを持っていかれないように良い状態で落とすようにします。ラインを手繰って多すぎるスラックを取ります。ドライ同様デットドリフトをさせるようにします。
2. なるべくデッドドリフトをするようにしましょう。この時にもヒットの可能性があります。魚の側線は我々の思っているよりずっと鋭い感覚器官ですから、フライの落ちた瞬間からフライを見て、追っています。ミスキャストは魚を追い払っているようなものですから、気をつけましょう。
3. メンディングは、フライとリーダーが水の中に入っている抵抗があるので、ドライより簡単に出来ます。ロッドティップはフライが流れているだろうと思われる所を追います。下流に流れて来るにしたがって、ロッドティップを上げたり、ラインを手繰ってアタリに対応出来るようにします。
4. ヒットすれば、ドライの場合は見えるので、この時点でロッドを立ててアワセます。しかし、水面下を流れるウェットでは魚がフライを捕えたのが見えませんから、ここでは釣り人には分りません。でも心配はありません。
5. フライラインの先やリーダーの変化が釣り人に見えます。この時、魚はようやく自分の立場に気づき反射的に上流に逃れようとします。しかしラインは水の抵抗で下流から魚を引っ張ります。つまり、フックは自動的に理想の場所である魚の口の角にセットされます。

アタリは・・・?

アタリはリーダーがフッと引き込まれたり、フライラインが止まることもあります。魚が水中で反転するのが見えることも、フライを捕えた印です。アタリがあっても何もあせる必要はありません。前述の通り、すでに口の角にフライがかかっているはずですから、ロッドを軽く立てる程度でフッキング完了です。
また、目で見て解らなくてもグッと重くなったり、モゾッとしたりと直接手に伝わってくることもあります。よくドライを障害物ぎりぎりに流していて引っかけてしまった時、グッと重くなることがありますね。あの感覚です。
の状態を見ればその理由がお分かりになると思います。

完全にアタリを取るには、
ラインに適当なスラックを持たせることです。ピンと張ってしまうと、フライを捕えた時の衝撃が魚にもろに伝わって、素早くフライを吐き出され、フッキングが悪くなります。さりとて、あまりにスラックが多すぎると魚がフライを捕えたのにこちらが気づきませんし、異物と判断して吐き出す余裕を与えてしまいます。魚がフライを捕えた時、テンションに気づかない程度のスラックをラインに持たせるのが理想です。

Down Stream

ダウンの釣りの基本を下の画像で紹介します。アップの時と同様、左から右に流れていて、中央付近に流心があります。フライ、リーダーはもちろん水の中で見えません。

ダウンストリームの時

1.対岸にキャストします。

2.流れにラインが持って行かれます。

3.メンディングでフライを先行させます。

4.魚がフライを追っています。

5.フライを捕えます。


詳しい解説
1. 流れが速いとか深い、という条件であれば、サイドに投げてフライが沈む時間を稼ぎます。最初からの方向に投げてもかまいません。の方向に投げてまでを釣る方法をダウン&アクロスと言います。
2. ダウンの釣りでは絶えずフライを先行して流すようにします。着水したリーダーがちゃんとターンオーバーしていないとフライ先行の状態になるまで、無駄な時間と距離が必要になるし、魚に警戒心を与えます。
3. 必要であればメンディングをして、ラインの形状をなるべくよくします。この時、フライは小さなターンをします。の状態でもヒットの可能性はあります。
4. ここで魚がフライを追っているのでは、と思われる所でロッドを上流側に倒してフライに大きくターンを加えることも一手です。
5. ヒットした時、ラインに適当な余裕があれば、アップストリームのと同じ状態になるので、ガッチリかかります。ただ、流し切って岸近くになった時に来られると、ラインが一直線になっているため、ゴツンというすごいアタリがきて、いくら素早くアワセをくれても、フライが魚の口からすっぽ抜けてしまうことが多々あります。川岸、釣り人、ラインの作る角度がなるべく大きい方がフッキングが良くなります。そのため、なるべくフライが流れを横切っている間に勝負すべきです。

フッキングに関するより詳しい内容は「フッキングを考える」へ・・・。

最後に・・・

このページではあくまで、初めてウェットフライをやるのに必要なことを簡単に説明しました。これを実践していて、不思議に思うことやどうしても理解出来ないことも出てくるでしょう。DMや掲示板で質問して下さい。

見えないところで魚を釣ることは、想像しているよりずっとエキサイティングです。ウェットフライで初めて魚を釣った時、きっと「おぉっ、やった!」と思われることでしょう。実はその時、ウェットフライに釣られているのは魚ではなく、あなたなのかもしれません。

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