落ち葉の意味

「森は肺、川は動脈、湿原は腎臓」〜C.W.ニコル〜

東大雪、糠平湖の美しい紅葉。

木々の葉は散る前に一瞬の輝きを放ちます。まるでパッチワークを見ているように山の色が赤、黄、緑に分けられます。

やがて、散って多くの昆虫、微生物の糧となります。彼等によって分解された落ち葉は腐葉土となり、再び栄養として森の木々に吸収されます。

同時にふかふかの腐葉土は雨水を貯め、山から出ていく水の量を一定に保つ働きをしてくれます。


ルベシベツ昆布干場フンベの昆布漁波打ち際の昆布漁と昆布の天日乾燥。

十勝の太平洋沿岸は屈指の昆布産地です。この昆布の森を支えているのが落ち葉なのです。

落ち葉が分解されるとフルボ酸という物質が出来ます。フルボ酸は鉄と結びつき、 植物プランクトンや海藻類にとって不可欠な養分として、海へと流れていきます。 第二次世界大戦後、ある漁港で裏山のブナ林が復興資材として切られました。その後、 漁港付近の昆布の質は落ち、量も大幅に減りました。

川にダムを造ると海に流れ出すフルボ酸鉄がせき止められてしまいます。各地の海岸線が磯焼けに侵されている原因のひとつです。


腐葉土分解されつつある落ち葉。

森の中では、片足の靴底の面積に約2千匹のトビムシやダニ類がいます。ダニといっても落ち葉や枯れ枝を 食物としている種類です。同様に分解に携わる菌類、細菌類を含めるとひとつの宇宙が出来ます。彼等の分解者としての働き、広葉樹、そして川のおかげで海に新たな栄養分が供給され、 廻り廻って私たちの生活が成り立っています。

今、この状態を「単なる醜いゴミ」と見る人はもういないでしょう。

自然のリサイクルには全く無駄がありません。


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