リスの脳みそ

黒岳のシマリス北海道には、小さいシマリスと小猫くらいのエゾリスの二種類のリスがいます。彼等の脳みそはエゾリスでせいぜい梅干し程度、シマリスにいたっては小梅でしょう。彼等は忘れ物の名手です。

脳の大きさが頭の良さに比例するわけではありませんが、はっきり言っておめでたい頭です。しかし、彼等が森に住んでいる以上、何かの役に立っているはずです。
落ち葉の中のエゾリス

彼等は秋になると盛んに木の実を集め、来たるべき冬に備えます。そのため、行動範囲が広がり交通事故に遭うリスが増えるのもこの時期です。

帯広市ではこういうリス達をのために道路を跨いでワイヤーを張り、細い丸太を取り付けてリスの道を作っています。その方が「 リスに注意の交通標識 」 の設置より、ずっと現実的で役に立つのではないでしょうか。

現在はたったの1本ですが、もっと増えて不幸な死に方をするリスが減れば、と期待されます。


木の実を埋めるエゾリス

彼等はどんぐり、松の実、クルミ等を巣に貯めますが、地面に穴を掘って埋めることもかなりあります。

厳しい冬の間、彼等は秋に貯蔵した木の実を食べて過ごしますが、悲しいかな埋めた場所をすべて記憶出来る程の脳みそがありません。かなりの量の木の実がそのままになります。

春になると忘れ物の木の実が芽を出します。リス達のおかげで、樹木は意外な程遠くまで仲間を広げることが出来ます。

アカエゾマツの根元に2年程前に埋められたカシワが生えています。エゾリスが再び木の実を埋めています。



植樹祭にて人間の植樹の様子です。万物の霊長とふんぞり返っていますが、木を切る数と植える数では、切る数が圧倒的に多い生物です。リス達は梅干し程度の脳みそですが、木を植える数では万物の霊長を上樹上のエゾリス回っています。

自分の先祖が植えてくれたのかもしれない大樹の上で、木の実を食べる彼等を見ていると、悠久の時の流れを感じずにはいられません。

彼等は木の実を食べるだけの消費者ではなく、森の「小さな守護者」でもあります。


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