08年11月23日 十勝川






十勝の人はよく「アメマスは引かない。面白くない魚だ。」と馬鹿にするが、アメマスは北海道の立派なネイティブで、低水温の中でもフライを追う素晴らしいファイターだと、私は真面目に思っている。まるでアメマスを馬鹿にすることが、一流釣り師の証であるかのように思っている人もいるようだが、本当に残念でならない。

11月に入り、最初の日曜日(2日)は十勝川に行ったが、その後二週連続で悪天候と強風で流れてしまった。2日の釣行では40cm台のアメマスが三本出たが、どうも納得がいかなかった。というのは、フライを流し切ったテールエンドで来たり、フライ回収でリトリーブをしている途中に来るなど、マグレ的な釣れ方だったからだ。

アクロスの途中にゴンと来てくれないと、「釣れた」ようで「釣った」気がしない。ここと言う所で掛けてこそ、にっこり出来る。



さて、ボヤキはこれぐらいにして、23日早朝。6時半に家を出たら、車庫の前はご覧の通り。うっすら積もっているだけだが、なにしろまだスタッドレスタイヤに換えていない・・・24日交換の予定だった。車の多い通りに出たら大丈夫だろうと、発進。一応慎重に運転し、雪の多い所では軽くブレーキを当てて利き具合を確かめながら、一路十勝川に。


十勝川の釣り場近くになると雪は全然積もっておらず、局地的にサラッと降っただけのようである。午前7時過ぎに川に着くと、先釣者が三人いる。幸い私が入りたいと思っていた所は空いている。6番9ftシングルと8番13ftダブルを持って換えリールを詰めたバッグを持って川原に。

風もなく、水位も3週間前から見るとかなり下がっているので、流したい所は6番シングルの射程に入っている。タイプ2のシューティングヘッドを巻いたリールを着けて、川の中に・・・。ティペット2Xを結んで、リードにスカンクピンク、ドロッパーにグリズリーキングを結んで始める。


5投目程度だった。まだ、底の様子もつかめていないのに、アクロスの最中にグッと重くなった。ロッドを立てると首を振る感触が伝わる。

けっこうしっかりした引きをするので「これは写真サイズだな」と思い、リールで対応しながら、バッグを置いた岸の方に寄せていく。と、よく見るとフックがわずかに唇に掛かっているだけで、これはかなりヤバイ。岸まで引いて行くうちにバレそうな気がしたので、ネットに入れる。ドロッパーのグリズリーキングを捉えていた。

50cmをちょっと超えるきれいな色のアメマスだった。ご覧のようによく寄せられたなと思うほどきわどいフッキングだった。
(写真をクリックすると大きな画像になります。)

ガイドを見ると軽く氷がついている。しかし、厳冬期ではないので、川に漬けてグリップを軽く叩くと落ちてくれる。


写真を撮って、リリースし、またすぐに川に入る。すると10分もしないうちに、一匹目より小さいアメマスが掛かる。さっきと同様、ドロッパーのグリズリーキングに来ている。これは川の中でリリースする。

この魚は、けっこうしっかりフライを捉えており、口の中にフライを仕舞い込んでいた。フォーセップはバッグの中なので、仕方なくア〜ンをさせて指を入れてフライをはずす。しかし、ご覧のようにアメマスの歯で傷だらけになってしまった。

だんだん風が出てきて、6番9ftシングルではちょっと苦しくなってきたので、ロッドを8番13ftのダブルに交換する。ラインはタイプ2のシューティングヘッド。リードはまめにチェンジしているが、ドロッパーはそのまま。

しかし、最初の連発が嘘のようにすっかりアタリがなくなってしまった・・・。


「もう8時を過ぎたかな〜・・・暖かくなったから、ガイドが凍らなくなったな〜・・・」などと考えながら流していると、フッとロッドが重くなった。反射的にアワセをくれるとグングンとアメマスの引きが伝わってくる。川面にスプラッシュが上がった。フッキングした瞬間に水面に向かって走ったようだ。

けっこう引くので、リールで対応して、寄せる。一匹目のきわどいフッキングが頭をよぎるが、寄せて確認するとしっかり口の中に入っているようである。余裕でネットイン。50cmあるかないか、といったサイズだった。

今度はちゃんとフォーセップではずしたので、指は大丈夫だった。ここまで三匹ともグリズリーキングに来た。リードはいろいろ換えてみたが、結局今日の好みはグリズリーキングだったようである。

三匹とも流しの中でアタックがあった。しかも二匹目、三匹目は口の中にしっかりフライをしまいこんでいるので、すっかりご機嫌になってしまった。良い流し方が出来ているんだと自画自賛。



その後、風がどんどん強くなってきて、キャスティングが苦しくなってきた。強風の中でのドロッパーはリーダートラブルの元になりそうなので、はずす。まあ、9時くらいまではやってみようと振り続ける。

そのうち川面がご覧のように波立ち、ウェーディングジャケットの裾が濡れ始めた。


楽しくなくなる前にやめようと思い始めた時、ロッドに重さが加わった。この一匹で終わりにしろとの十勝川からのお達しと勝手に解釈する。最後の一匹は、プラスチックチューブに巻いたサンダーアンドライトニングを捉えた45cmほどの、白点が大きめのアメマスだった。

四匹も出れば、私にとっては十分な釣果で、しかも最初の一匹以外は良い所にしっかりとフッキング出来ていた。二時間ほどの釣りだったが、これで楽しく終わることが出来た。




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