’11年8月12、13日 知床釣行






8月12日

帯広は連日の真夏日でもうヘロヘロ状態である。11日、午後8時に家を出る。途中、コンビニで氷や食料を補給して4時間の運転である。のんびりチンタラ走って日付が変わる直前にいつもの野宿場所に到着。

毎年、知床釣行はペルセウス流星群にあたるので、一応撮影。これは北東の空で中央上部にカシオペア、ペルセウスが木の間から上がってきている。今年は月が太いのであまり期待できなかったが、小一時間夜空を見ていた。3つほど飛んだが「すべての願い事が叶いますように」という願い事を三回繰り返すことは出来なかった。

気温は半袖では寒いほどで、星空を見ていてくしゃみが出たので、午前1時過ぎに断念。10年ほど前、車内で野宿出来るように作ったベッドにエアーマットを敷き、シュラフと毛布に包まる。シマフクロウの鳴き声を聞き、木の向こうで光る月を見ていると、すぐに睡魔に捉われた。

明け方、眩しさで目が覚めると、すっかり陽が上っていた。しかし、気温は低く、18度だった。携帯を見ると7時半。携帯はもちろん圏外で、しばらく外界と隔絶された状態になる。

朝餌をかきこみ、コーヒーを飲んでゆっくり一服。今日の入渓点を目指す。あらかじめ電子国土ポータルでダウンロードしておいた地形図を参考に、午前8時過ぎ、初めての場所に入る。

河原にへたりこんで、ティペットを結びなおし、今日のフライを考える。今年はソフトハックルのみでやってみようと思っていたので、ご覧のように今までの分にさらに追加しておいた。ドロッパーを着けると、リリースの時オマツリになるので、リードのみ。選択したのは去年バカ当たりしたイエローアンドパトリッジの変形でイエローアンドヘンフェザント。パトリッジより少し硬めなので、後述する私のここでのオショロの釣り方に合っているかと思った次第だ。

ティペットは3X。太いと思われるかも知れないが、これくらいの方が枝に掛けた時等、フライのロストを防げる。この太さでもオショロやヤマメは全く気にせずアタックしてくれるので、問題はない。長さもピンポイントに落とす正確さを重視して合計6ft半と短めである。ロッドはグラスの特注2番、7ft。

今年も水量が少々多めに思われたので、小さいビーズヘッドを着けた物を結ぶ。少し沈め気味にやってみる作戦だ。ちょっとたるんだ所に打ち込み、ナチュラルに流す。3投目に今年の一匹目が水しぶきを上げて出た。

流れのしっかりある所に打ち込むとヤマメが出る。去年もヤマメが多かったが、今年はさらに多かったように思う。20cmにも満たないほどだが、流れの中で掛かると、私の2番ロッドはバットから曲がってなかなか寄せられず、けっこう楽しい。一ヶ所でたくさん出るので、全然ペースが上がらず、いつもにも増してチンタラ釣行になっている。

さて、ここでのオショロの釣り方だが、私はナチュラルドリフト、ダウンアンドアクロス、ストップ、逆引きなど使う。ナチュラルドリフト、ダウンアンドアクロスは当たり前だが、ストップがすごく効果的なのである。怪しい所でフライをストップさせ、水面直下で静止させるのである。すると岩陰から浮き上がってきて、パクリとくる。そのために少し硬めのハックルが欲しかったので、ヘンフェザントのブレストを巻いたのだ。




さて、左の写真、何かお解りだろうか? 蕗の葉を下から見上げた様子である。入渓して1時間半ほどした頃だろうか、空が一気に暗くなり、風が冷気を帯び、雨の気配が漂ってきた。しかし、この川の左右には1.5mほどの蕗が叢生しており、下に潜り込めばご覧のように雨を避けられる。

蕗の葉はよく出来ていて、葉に降った雨がすべて集まり、茎の中央部の樋になった部分を伝って根元に流れていく。おかげで私はほとんど濡れずにすんだ。

右の写真の中央部に座り込んで、雨が止むのを待った。30分もしないうちに上がったので、釣りを再開。


地図上ではほんの500mほどの距離だが、川の中でゆっくり釣りながら進むとなかなか時間がかかる。予定の場所まで釣って、林道まで這い上がり、テクテクと車まで戻る。

いつも思うが、オショロコマは潜んでいる場所によって全く色が違う。左右の写真を見比べると同じ魚とは思えないほどである。

左のオショロは暗い所で黒い岩のえぐれに潜んでいた。そのため真っ黒けでお腹の朱もひときわ鮮やかである。それに対して右のオショロは日当たりのいい白い岩盤のえぐれに入っていたので、白っぽく、お腹も淡いクリーム色である。


車に戻ると午後1時半、5時間ほど釣っていたようだ。時速100mの超スローペースだった。日陰になっている所に車を停め、昼餌。腹が満たされると、眠気が襲ってくる。無理をせずのんびり気ままにやるのが知床なので、即寝。1時間ほど寝て、夕方釣る予定の場所に移動する。そこで相棒と合流。今年は仕事が押して、前日からは来れなかったとのこと。二人でいつもの場所で、いつものように楽しくイブニングを釣る。

午後6時半にはもう寒くなってきたので、上がる。日本各地で真夏日や猛暑日になっているというのに、ここ知床の山の中では寒いくらいだった。晩餌をかきこむと、情報が完全に遮断された場所なので、午後8時過ぎには就寝。真夜中過ぎにもう一人が合流したが、その車のエンジン音にも気付かないほどぐっすり眠った。



8月13日

明けて13日、午前6時半、寒くて目が覚めた。車の温度計で見ると13度の外気温である。昨夜合流したばかりの元気満開男が早く釣りたそうなので、朝餌後すぐに移動。

上がる予定の場所に車2台を置いて、1台で入渓点に移動。
3人で未知の場所に入ってみることにする。橋から降りて、様子を見ながら釣っていく。

川に下りた時、冷たい水に驚いた。水温計は持っていなかったが、手を入れると10度はないだろうと思われた。活性は低く、底をじっくり流すと出るが、表層に意識はないようだ。しかし、日が当たる所では、元気よくオショロもヤマメも飛び出してくる。






やがて、気温が上がってくると、面白いように釣れ始めた。日差しは強いが川を渡る風が気持ちよく、暑さは感じない。前日と同じ超スローペースで釣っていく。

たまには記念写真などというものも撮ってみようということで、オートシャッターで撮ったのが、右の写真である。

撮影が終わったと勘違いした私は腰を浮かしてしまい、一人が私の後ろに、そしてもう一人は草の陰に、とトンでもない記念写真になってしまった。

前日の単独釣行はのんびりだったが、三人で珍釣行をするのもまた楽しいものである。午前11時頃まで釣って上がる。私はもう満腹状態になっていたので、小清水原生花園に行くことにした。二人はもう少し別の場所でやってみることに。地図を渡して別れた。


今年の知床釣行は2ヵ所、未知の場所に入ったし、ある発見もあった。最初は1人、次は2人、最後は3人の釣行という変則もけっこう楽しかったし、何より天候と釣果に恵まれたのが最高だった。もっとも、釣果に恵まれなかった知床釣行は今までに経験はないが・・・・。

楽しかった知床釣行の動画、たった3分足らずにまとめきれるものではないが、気合で編集。もうひとつは画像のスライドショー。



4月10日アメマス 釣行記メニュー 10月9日某湖ニジマス






十勝の自然とフライフィッシング Menu

TOP

十勝の魚
My Fly Box
ウェットフライ入門

釣行記
写真と随筆

自然の中で

自然の音声

十勝歳時記
十勝川の四季

リンク
掲示板
おまけ
花鳥魚月

ご意見、ご感想は

flyman●octv.ne.jp

巡回ロボットによるメールアドレスサーチ防止のため「@」を「」に置き換えています。 お手数ですが、コピー&ペーストをしてアドレス中の「」を「@」に打ち直して送信して下さい。